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2年ぶり開催の“コミケ”、新型コロナ対策はどうだったか? コミックマーケット99参加レポート(2/2 ページ)

» 2022年01月06日 08時00分 公開
[長浜和也ITmedia]
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会場内での感染症対策には「キャッシュレス決済推奨」も

 会場内における感染抑制対策の各自実施については、ブース内スタッフの最小限配置、頻繁な消毒の実施と合わせて、キャッシュレス決済の導入を推奨していた。また、それに関連してキャッシュレス決済の方法としてQRコードを使う「Circle PAY」(正確には既存のQRコード決済と接続できる手段を提供するサービス)がコミックマーケット準備会販売ブースをはじめ、コミケ99参加サークルで広く採用されていた。

 11月12日に申し込みサークルに送られてきた“当落メール”でも「CirclePAYに登録して非接触決済を利用しよう!」と案内があった……が、申し込みをうっかり忘れていた筆者は、コミケ会場のCirclePAYブースでQRコードの発行に挑んでみた。

photo サークル登録をするとCirclePAYが使えるイベントとサークルが連携する。この後本人確認作業を経てQRコードが発行されるのだが29日時点でオンラインによるQRコード発行は間に合わず

 本人登録は前日までに済ませておいたとはいえ、設営の朝に申し込む時間ができるだろうか。できたとしても、一般参加者の入場が始まる午前10時までにQRコードが発行されるのだろうか──そんな疑問を抱きつつ、かつ、会場入りが遅くなって設営開始が遅れてしまった焦りの中で何とか設営が完了したのが午前9時20分。

 「うわっ、こりゃもうだめかも……」と諦めつつも東1ホールにあるCirclePAYブースに向かい、「サークル当日申込受付」カウンターでQRコードの発行をお願いできたのがちょうど午前9時30分。

 ……その5分後には、発行されたQRコードを張り付けたPOPスタンドを自分のブースに建てることができたのであった。

photo CirclePAYは開催直前で急速に増加して処理が間に合わなくなった登録希望者に対応するためコミケ会場の当社ブースで現地審査と即時QRコード配布を実施した
photo 当日申込で発行されたQRコードとコミケ99特典でついてきたクリアファイル

 筆者が配置されたのは評論情報島の医療情報関連のサークルが集まったエリアで、どちらかというとのんびりとした時間が流れる穏やかな地区だった。入場者数を従来の4分の1程度に抑え、かつ、配置したサークル数も3分の2に抑えて通路の幅を広くしたこともあって、行きかう人の密度は格段に低くなったもの、それでも、人の往来が途切れることはなかった。

photo 比較的のんびりとした雰囲気だった情報評論島でもこれだけの人が行きかっていた。そのほぼ全員がマスクを正しく着用して静かに、でも、楽しげに動き回っていた

 COVID-19の感染拡大が続く中で大規模イベントに対して批判的な意見がどうしても目立ってしまっていたが、少なくとも私の目に映ったコミケ99参加者は、ほぼ全員がマスクを正しく着用し、大きな声で会話することもなく、まさに“粛々と”コミケを楽しんでいた。

 感染対策が有効に機能したのか否かの評価は今後数値となって示されることになると思うが、少なくとも現場で目撃した限りでは、コミケ99の感染抑制対策は適切に実行されていたと評価できるだろう。

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