レビュー
» 2015年04月08日 21時01分 UPDATE

林信行による世界先行レビュー:Apple Watchが腕時計とウェアラブルの概念を変える (3/5)

[林信行(写真:井上直哉),ITmedia]

「グランス」と「アプリ」、2つのソフトウェア

 Apple Watchで、何かをするために使うソフトは「グランス」と「アプリ」の2種類がある。

 グランスとは英語でいうところで「ちらっと見る」ことの意味。必要な情報を見たり、数秒で終わる、いつもの決まりきった操作をするためのものだ。パソコンで言うところのウィジェットに近い。時計画面から上方向にスワイプするとすぐに表れ、左右のスワイプで切り替えることができる。

og_applewatch_005_1.jpgog_applewatch_005_2.jpgog_applewatch_005_3.jpg 時計を表示している状態で、画面の下から上にスワイプすると、前回見ていたグランスが現れる。左右にスワイプしてほかのグランスに切り替えることもできる

 ペアリングしたiPhoneのApple Watchアプリに「グランス」というメニューがあり、ここから表示/非表示の切り替えや順番の入れ替えを行う。

og_applewatch_006.jpg どんなグランスを表示するか、どの順番で並べるかはiPhone側のグランス設定で行う

 一方、アプリはグランスよりもう少し複雑な操作ができるものが多い。

 もっとも、Apple WatchはiPhoneと一緒に持ち歩く機器だ。ユーザーも込み入った操作や文字入力にはiPhoneを使うだろうから、そこを無理してやらせるようなものは少ない。

 そもそもWebブラウザも搭載しておらず、Siriを使って音声命令で「○○を検索」などと命令すると、iPhoneを使って検索するように促される(ただし、Wikipediaに登録がある項目については、「○○について教えて」と聞けば情報を表示してくれる)。

og_applewatch_007_1.jpgog_applewatch_007_2.jpg Apple WatchはWebブラウザは搭載していない。これまでどっぷりだった情報との付き合い方をもう少し軽快にして、歩きスマホのような習慣を減らそう、という製品でもあるので、割り切りがいい。ただし、Wikipediaのサマリー情報だけなら調べて表示してくれる

 アプリは、時計が表示されている状態で、デジタルクラウンを押し込むとホーム画面にアイコンとして表示される(アプリ名は表示されないので、アイコンを覚える必要がある)。

og_applewatch_008.jpg Apple Watchのホーム画面。指でドラッグするとうねうねと動く。デジタルクラウン(リュウズ)を回して拡大/縮小もできる。ある程度以上拡大すると真ん中に表示されているアプリの画面がフェードインして切り替わる

 Apple Watch標準アプリとしては電話、メッセージ、メール、カレンダー、アクティビティ、ワークアウト、マップ、Passbook、Siri、ミュージック、カメラリモート、Remote、天気、株価、写真、アラーム、ストップウォッチ、タイマー、世界時計、設定が搭載されており、iPhoneにも搭載されているものについてはHandsoffで連携をしている。つまり、Apple Watchでメールを開きながら、やはりiPhoneで読もうと思ったら、iPhoneのロック画面にメールのアイコンが表示されるのでそれをスワイプすると、見ていたメールがiPhone上で開かれる。

og_applewatch_009_1.jpgog_applewatch_009_2.jpg Apple Watchではテキスト形式のメールなら読むことができるがHTMLメールなどは読めない。その代わりメールを開くとiPhoneのロック画面左下にHandsoffのアイコンが表示され、これをスワイプするとiPhone上でメールが開かれる

ライフスタイルを変えるApple Watchアプリ

 Apple Watchの画面はメールを読むのには小さいと思うかもしれないが、高解像度なRetinaディスプレイと画面を隠さずに操作できるデジタルクラウン(リュウズ)のおかげで、これを回しながら文面をスクロールさせる操作なら、意外に快適に読めてしまう。

 小さい画面ながら、件名をスワイプしてアーカイブや未読/フラグ設定ができたりと機能も充実している。ただし、返信を含めてメールを書く機能はない。

og_applewatch_010.jpg メールは件名をスワイプすることで未読への切り替えやフラグの追加、アーカイブなど簡単な操作ができるが、返信機能を含め書く機能は一切ない

 Webブラウザの非搭載もそうだが、こうした部分に見られる「これ以上Apple Watchでやるのは、無理がありますよ」という割り切り感がいい。「歩きスマホ」のような習慣を減らそうと作られたApple Watchが、機能を搭載しすぎて今度は「歩きスマートウォッチ」現象を生み出すようでは意味がない。

 メールの話に戻そう。1日のメールの受信件数が多い人は、通知が1通1通だと困ると思うだろうが、あらかじめiPhone側でこの人からのメールだけ通知してとVIPリストを作成しておけば、それしか通知しない。なので、筆者もApple Watchのメール機能はVIPからのメールを急いで確認するためだけと割り切って使い、後はiPhoneやMacで読んでいる。

 本当はアクティビティなどフィットネス系の機能は、これまであまりフィットネスに興味がなかった人でも自然に健康を保てるように練られていて面白いのだが、長くなるので別の記事で紹介したい。

 代わりにApple Watchならではの面白いアプリを1つ紹介しよう。「カメラリモート」だ。このアプリを起動すると、すぐにiPhoneがカメラ機能に切り替わり、映っている映像がApple Watch上に表示される。iPhoneをどこかに固定して、Apple Watchで絵を確認しながらシャッターを切る。自分撮りをしたり、気配を消して撮影したいときに便利な機能だ。

og_applewatch_011.jpg カメラリモートアプリを使えばiPhoneのカメラが捉えた画像を確認しながらシャッターを切ることができる

 Apple Watchでは、こうした標準アプリに加えて他社製のアプリも豊富に用意されている(インストールはiPhoneのApple Watchアプリから行う)。

 例えば、Moneytreeという財産管理アプリを使えば今月クレジットカードでいくら使ったかや銀行の残高をApple Watchで簡単に調べられる。

og_applewatch_012_1.jpgog_applewatch_012_2.jpg Moneytreeを使えばクレジットカードでいくらつかったかや銀行の残高がどれだけのこっているかなどの情報をリアルタイムで確認できる

 クックパッドのアプリでは、iPhoneのクックパッドアプリで最後に調べたレシピが表示されるので、何を作りたいかなどはあらかじめiPhoneで検索しておき、キッチンに行ってから生活防水のApple Watchでレシピを確認しながら料理ができるという寸法だ。

og_applewatch_013_1.jpgog_applewatch_013_2.jpg クックパッドアプリを使えばあらかじめiPhoneで選んだレシピの詳細をいつでも手元で見ることができる

 アプリの中にはちょっと未来の生活を感じ取れるものもある。

 例えば、BMWの電気自動車i3/i8用の「i Remote」というアプリがあるのだが、これを使えば自動車の充電の度合いが分かるだけでなく、Apple Watchを使ってドアのロック/アンロックをしたり、遠隔操作であらかじめ冷暖房をかけておくこともできる。

og_applewatch_014_0.jpg BMWのi3やi8では、ドアのアンロックや車内エアコンの遠隔操作、車を停めた場所の表示や、そこまでの道案内などができるアプリがありApple Watchに対応している

 また、スターウッド系の一部のホテルでは、ホテルに到着したら、フロントを素通りしてApple Watchアプリで、ホテルにチェックインできる。画面に部屋番号が表示されるので、その部屋まで行き、ドアの読み取り機にApple Watchをかざすとドアのロックが解除され、部屋に入れてしまう。

og_applewatch_015_0.jpg 一部のスターウッド系ホテルではApple Watchからホテルへのチェックイン作業をしApple Watchでドアをアンロックできる

 実際にApple Watchを使って、生活がどう変わったか、どう変わりそうかについては後日掲載予定の別記事でしっかりと触れたい。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

-PR-