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» 2012年05月29日 18時54分 UPDATE

電力供給サービス:節約で浮く電力を買い取り、関西電力が「ネガワットプラン」実施へ

今夏の電力供給量の予定値をなかなか積み増せない関西電力が、顧客が節約して浮く電力(ネガワット)を買い取る制度を実施する。日本で初めての取り組みでありその効果は未知数だが、関西電力は「最終手段」と位置付けている。

[笹田仁,スマートジャパン]

 関西電力は今夏の電力供給量不足の解消を狙って、大口顧客を対象にした「ネガワットプラン」を実施することを明らかにした。実施期間は2012年7月2日〜9月7日。参加資格者は契約電力500kW以上の大口顧客。

 ネガワットプランとは、顧客が節電で浮くと計算できる電力に値段を付けて入札し、関西電力が値段の安い順に買い取っていくという取引だ。期間内でも特に需給が逼迫すると予想できる日を対象に実施する。

 取引は、需給が逼迫すると予想できる日の1週間前から始まる。関西電力が入札を受け付け、企業が入札し、関西電力は毎日安い順からネガワットを買い取っていく。基本的には、十分な電力量を確保した時点で買い取りを止めるが、需給が逼迫すると予想できる日の前日までに十分な電力量を確保できない場合は、再度入札を呼びかける(図1)。

Schedule 図1 ネガワットプランのスケジュール(出典:関西電力)

 需給逼迫日は、翌週の天気予報から予想する。翌週の天気、気温、湿度といったデータを見て、過去の実績と照らし合わせることで、予想するという。しかし、天気予報が外れることは珍しいことではない。需給が逼迫すると予想した日に近づくにつれ、予報が変わっていくことも考えられる。関西電力は、そのような場合は自然に入札数が減ると見ている。

 ネガワットの取引というアイデアは、決して新しいものではない。例えば、原子力損害賠償支援機構と東京電力が共同で募集した「電力デマンドサイドにおけるビジネス・シナジー・プロポーザル」では、NTTファシリティーズとエネットが共同で提出した「ネガワットアグリゲーションビジネス」が選ばれている。

 この取り組みは、高圧の電力契約を電力会社と交わしている企業を対象に、それぞれの企業が節電で浮かせた電力を集約して電力会社に販売するというものだ。参加した企業は主催者から節電分に応じた金額を受け取れる。

 NTTファシリティーズによると、ネガワットアグリゲーションビジネスの提案活動は始めているが、契約に至るまでの期間と、工事に必要な期間を考えると、2012年7月時点での参加企業はごく少数になると見ている。

 ネガワットプランについて関西電力は、同社にとって初めての取り組みであることから、その効果は「まったく予想できない」としている。一方で、ネガワットプランは「需給逼迫に対応する最終手段」と語っている。

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