企業の電力需要の伸びが5月に縮小、前年比で3%増に収まる電力供給サービス

電力会社10社による5月の販売量の結果がまとまった。全体では前年と比べて1.8%の増加だったが、このところ大きく増えていた企業の電力需要が3%弱の伸びに収まり、増加傾向が落ち着いてきた。各企業が進めている節電対策の効果も表れてきたとみられる。

» 2012年06月29日 13時21分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 5月の地域別の電力需要を4月と比べると、沖縄を除いて大幅に減少した(図1)。特に中部、北陸、中国の3地域が9.3%減で最大の減少率になっている。4月も同様に各地域で3月から大幅に減っており、2か月連続で電力需要が大きく減少した。

 前年の5月と比べると全体で1.8%の増加だった。震災からの復興によって東日本の各地域で電力需要が増える一方、西日本では引き続き前年を下回っている。家庭を中心とする「電灯電力」の合計で見ても0.1%の減少になる。

ALT 図1 電気事業連合会が集計した2012年5月の電力販売量。「電灯電力」は家庭を中心とした小規模ユーザー、「特定規模」は業務用を中心とした大規模ユーザーへの販売量の合計

 その中でも望ましい傾向は、企業向けの「特定規模」の電力需要が前年から2.9%増と小幅な伸びにとどまったことである。3月には前年比で5.5%増、4月も5.4%増と特定規模の電力需要が増加してきたが、その伸びが5月に収まった状況だ(図2)。

 震災前の2010年と比べても、4月は2年前と同じ水準の電力需要があったのに対して、5月は3.5%の減少になっている。家庭に続いて企業の節電対策が効果を発揮してきた兆しとも考えられる。6月の結果にも注目したい。

ALT 図2 用途別に見た過去1年間の電力需要の推移(対前年伸び率)。出典:電気事業連合会

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