太陽電池と連携できる大型の蓄電池、容量15kWhで屋外にも設置可能蓄電・発電機器

北海道などで冬の電力不足が懸念される中、非常時を含めて電力の安定供給に役立つ大型の蓄電池システムが相次いで製品化されている。パナソニックはさまざまなタイプの太陽光発電システムと連携できるインバータを組み合わせた蓄電池システムを企業・自治体向けに発売した。

» 2012年12月05日 17時45分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 リチウムイオン蓄電池システムの本体(左)と「ACリンクインバータ」(右)

 パナソニックの新製品は容量が15kWhあって家庭向けの蓄電池よりも大きく、企業や自治体などが節電時のピークシフトや非常時の電力確保を目的に利用するのに向いている。従来の同社製品と比べて太陽電池との連携機能を強化した点が最大の特徴だ。

 蓄電池システムの本体と太陽電池を接続するための専用装置として「ACリンクインバータ」を新たに開発した(図1)。太陽電池で発電した直流の電気を交流に変換するための装置で、幅広い電圧に対応でき、さまざまなタイプの太陽電池に対応することができる。

 加えて新開発のバッテリーマネジメントユニットを搭載して、蓄電池内部の温度を監視しながら内部の温度を一定の範囲に保持する機能を実装した。これによりマイナス10度くらいの低温でも充電・放電が可能になった。

 用途は停電などの非常時だけではなく、夜間の安い電力を昼間に使ってピークシフトや電気料金の削減に生かすこともできる。蓄電池システムから電力を供給できる対象は、単相200Vと三相200Vで動作する機器のほか、市販の変圧器を介して単相100Vの機器にも対応可能である(図2)。出力は最大で10kW。

図2 蓄電池システムの利用形態。出典:パナソニック

 価格は屋内設置用が990万円(税抜き)で、専用の収納箱とセットにした屋外設置用は1230万円(同)になる。12月20日から受注を開始する。国や自治体による補助金も利用できる見込みだ。国の補助金は10kWh以上の大型の場合には工事費を含めて3分の1まで支給される。

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