消費電力量を30%削減できるコンビニが開店エネルギー管理

ローソンは本日12月7日に、消費電力量を30%も削減できる新店舗をオープンする。自然光を最大限に取り入れて照明の使用量を抑えるほか、地中熱を利用した空調システムや冷蔵ケース、屋根には太陽光発電システムを設置した。

» 2012年12月07日 09時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 ローソンが新たに開く店舗は「海老名上今泉二丁目店(神奈川県海老名市上今泉)」(図1)。この店舗はローソンが2008年から東京大学生産技術研究所と共同で省エネの実験を繰り返して得た成果を投入した店舗だ。消費電力量を2012年度比で30%削減できるという。

図1 ローソンが新たに開いた海老名上今泉二丁目店の外観

 店舗の大きな特長の1つとして自然のエネルギーを有効活用して、消費電力量を抑えている点が挙げられる。例えば、店舗の天井が少し高くなっており、店舗正面の看板と天井の間に窓を設けている。これは、自然光を取り入れることで、照明をなるべく使わないようにすることと、簡単に換気ができるようにすることを狙っている。

 空調には地中熱を利用している。この店舗の地下には地下水が流れており、その温度は年間を通して17℃。この熱を店内に運び、店内の温度調節に使っている。

 地下水は店舗敷地内のアスファルトの下にも流している。地下水が蒸発するときに周囲の気化熱を奪うことで温度が下がる。この効果を利用して、アスファルト部分の気温が上がることを防いでいる。

 店内の空調効果を高める機器も導入している。例えば冷蔵ケースだ。冷蔵ケースはヒートポンプを利用した熱交換でケース内を冷やしている。つまり、冷蔵ケースは外部に熱を排出しながらケースを冷やしているのだ。新たに導入したケースは、夏場は熱を店外に排出するが、冬は熱を店内に排出して循環させ、暖房効率を上げる。

 さらに、店舗の屋根に設置した太陽光発電システムは、夏場の直射日光を遮断し、屋根から店内に熱が入ってくることを防ぐ。店舗内にはセンサーがついており、センサーの感知した気温に応じてコンピュータが機器を自動制御する機能も持っている。

 ほかにも、外壁やガラスに断熱性能が高いものを採用し、店内の空調効果を損なわないようにしている。

 ローソンは東京大学生産技術研究所と続けてきた実験のデータを、既存店舗の改良や新規店舗の建設に活用するとしている。

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