バイオマス発電の認定設備が1か月で6倍以上に、太陽光発電も1.5倍に拡大法制度・規制

固定価格買取制度の認定設備の規模がさらに拡大を続けている。わずか1か月間で太陽光発電が1.5倍、バイオマス発電が6.7倍に増加した。太陽光では「非住宅」の伸びが著しく、発電能力を合計すると250万kWを超えた。バイオマスは一挙に11件が認定を受けた。

» 2012年12月17日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 11月末時点の再生可能エネルギーによる発電設備の認定件数は、前月比で4万0398件も増えて、累計で18万7297件に達した。7月に固定価格買取制度が始まってから最高の増加数で、導入のペースがますます加速している。このまま増え続けていくと、年度末の3月には30万件を突破する勢いだ。

 発電能力(設備容量)で見ると、「太陽光(非住宅)」が10月末時点の162.7万kWから253.5万kWへ1.5倍以上も伸びた。このうち1MW(1000kW)以上のメガソーラーだけで142.4万kWと半分以上を占めており、設備の数も340件から524件へ急増している。

 さらに伸びが大きかったのはバイオマスで、10月末の2件(0.6万kW)から14件(4.0万kW)へ大幅に増えた。詳細を見てみると、「一般木質・農作物残さ」によるバイオマス発電が広島県で1件(1.8万kW)、「一般廃棄物・木質以外」が茨城・千葉・兵庫で1件ずつ3件(合計1.3万kW)、「メタン発酵ガス」で北海道の7件(合計700kW)が新たに認定された。

図1 再生可能エネルギーによる発電設備の導入状況。出典:経済産業省

 すでに運転を開始した設備も順調に増えている(図1)。太陽光は「住宅」と「非住宅」を合わせて140万kWの規模に達した。経済産業省が当初予測していた年度末の導入規模200万kWを超えるのは確実な状況だ。発電能力だけを見れば原子力発電所の2基分に匹敵する。ただし実際に得られる電力量は原子力の5分の1程度になるため(設備利用率を太陽光が12%、原子力が60%と想定)、0.4基分と考えるのが妥当である。

 買取制度の対象になる再生可能エネルギーは5つの分野があるが、風力、中小水力、地熱の3分野でも徐々に認定設備が増え始めている。風力は24件から26件へ、中小水力は15件から17件へ、地熱は11月に初めて大分県で1件が認定された。風力・水力・地熱による発電設備は環境への影響評価をクリアするためのハードルが高く、建設までに時間がかかるプロジェクトが多くなっている。

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