新電力が火力発電所を建設、2014年8月に10万kWで運転開始電力供給サービス

電力市場の自由化が進むなか、新電力のF-Powerがガスを燃料に使う火力発電所を千葉県に建設する。3月中に工事を開始して、2014年8月から商業運転を開始する予定だ。大手の金融機関3社が82億円の資金を提供するほか、東京都もファンドを通じて出資する。

» 2013年03月08日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 中袖ガス火力発電所。出典:F-Power

 F-Powerは新電力(特定規模電気事業者)の大手で、2006年に関東と関西で電力の小売事業を開始した。現在は東北と中部を加えた4地域へ事業範囲を拡大している。すでに千葉県の袖ヶ浦市で発電能力10万kWの「中袖ガス火力発電所」(図1)を稼働させていて、新たに同じ地区に同規模の火力発電所を建設して電力供給能力を増強する。

 導入する設備にはガスコンバインドサイクル方式を採用して、発電効率を49%まで高める予定だ。ガスコンバインドサイクルは東京電力をはじめ新設の火力発電所で標準的に採用されている発電方式で、ガスタービンと蒸気タービンの両方を使って発電することができる。従来は40%程度だった火力発電の効率を引き上げることができ、燃料費の削減が可能になる。

 この発電所の建設計画には大手リース会社の東京センチュリーリースのほか、新生銀行と横浜銀行が加わり、金融機関3社で約82億円の資金をプロジェクトファイナンスで提供する。さらに東京都も「官民連携インフラファンド事業」を通じて4億円の出資を決めている。

 東京都は2020年に向けて分散型の電力供給を可能にする「スマートシティ構想」を掲げて、火力発電所の建設を推進していく方針だ(図2)。東京都みずからが都内に大規模な火力発電所を建設するのと並行して、新電力からの電力供給を増やすことにしている。

図2 東京都のスマートシティ構想。出典:東京都知事本局

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