地下鉄の駅にメガソーラー、東京メトロが「東西線ソーラー発電所」自然エネルギー

都心を中心に9つの路線を運営する東京メトロが2013年度にメガソーラー計画を推進する。東京から千葉方面に地上を走る東西線の8つの駅すべてに太陽光パネルを設置して、合計で1MWの発電を可能にする計画だ。発電した電力は駅のエスカレータやエレベータ、照明などに利用する。

» 2013年03月27日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 太陽光パネルを設置した浦安駅。出典:東京メトロ

 東京メトロは地下鉄の路線の中でも地上にある駅を対象に、太陽光発電システムの導入を進めている。3月26日には東京と千葉を結ぶ「東西線」の浦安駅の屋根と壁面に98kW分の太陽光パネルを設置した(図1)。東京メトロの駅で太陽光発電システムを導入するのは4番目で、地上を走る区間が長い東西線では3駅目になる。

 さらに東西線のほかの地上駅にも2013年度中に太陽光発電システムを導入して、8つの駅を合わせて1MW(メガワット)の発電能力を発揮する「東西線ソーラー発電所」を展開する計画だ(図2)。年間の発電量は約100万kWhになる見込みで、一般家庭300世帯分に相当する。

図2 「東西線ソーラー発電所」の展開計画。出典:東京メトロ

 発電した電力は売電しないで、駅の「付帯用電力」に利用する。付帯用電力は電車の運行を除く各種の電気設備に利用するもので、駅構内のエスカレータやエレベータ、照明や空調のほか、信号や通信機器も含まれる。100万kWhの年間発電量で、東西線ソーラー発電所の対象になる9つの駅間(地下駅を1つ含む)で使用する付帯用電力の11%を供給することができる。

 東京メトロは2008年に初めて地上駅に太陽光発電システムを導入した(図3)。2012年に入ってから東西線の2つの地上駅にも設置して、4番目の浦安駅を加えると発電能力は411kWになる。

図3 太陽光発電システムを設置済みの3つの駅。出典:東京メトロ

 鉄道会社は電力の使用量が非常に大きいため、発電や節電による需要の抑制が大きな課題になっている。東京メトロは太陽光発電システムのほかにLED照明に切り替えるなど、「みんなでECO.東京メトロ・エコプロジェクト」を推進中だ。

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