環境省が2003年度から継続している廃棄物エネルギー利用施設に対する補助金制度が2013年度も始まった。ごみなどの廃棄物のほか木質などのバイオマスを燃料に使う施設も対象になる。補助金の総額は前年度よりも増えて8億円を超える規模になった。第1次の公募を6月6日まで受け付ける。
補助金制度の名称は「廃棄物エネルギー導入事業」。環境省が地球温暖化対策の一環で同様の事業を毎年実施している。2013年度は総額8億1800万円の予算で、前年度と比べて4300万円も増額した。
補助金の対象になる施設は6つの分野があって、ごみなどの廃棄物を焼却する際の熱をエネルギーとして効率的に活用できる設備(図1)や、廃棄物から燃料を製造する設備が含まれる。新たに設備を導入する際の工事費と事務費が補助金の対象で、費用の2分の1か3分の1が上限になる。適用を受けられるのは民間企業など法人に限られ、地方自治体は対象外だ。
6分野の対象施設ごとに適用条件が具体的に決められている(図2)。廃棄物発電システムを含む「廃棄物高効率熱回収」に該当する施設の場合、熱の回収率が23%相当以上になることを原則とする。生ごみなどを固形燃料にして利用する「RDF発電」は対象外だ。木質などのバイオマス資源を活用した熱供給システムやコージェネレーションシステムも熱量や発電出力が条件を満たせば適用対象になる。
公募は6月6日まで環境省の担当部門で受け付ける。採択した案件に対する補助金の合計額が予算に達しない場合は、追加で公募を実施することになる。2012年度は3回の公募で4件のプロジェクトが補助金を受けた(図3)。
環境省によると、2003年度〜2010年度までに補助金を受けた23件の施設を合計すると、年間に27万トンのCO2排出量の削減効果がある。
国内では地方自治体を中心に廃棄物エネルギーを活用した施設の導入が進んでいるが、民間企業ではさほど多くない。2012年7月から固定価格買取制度が始まり、廃棄物を含めてバイオマスによる発電設備を導入するメリットが大きくなったことで、最近は民間企業の導入事例も増え始めている。
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