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» 2013年09月17日 19時30分 UPDATE

自然エネルギー:予想外の初期投資額に悩む、メガソーラー立ち上げの難局をどう乗り切るか

岩手県一関市に出力18MWのメガソーラーを立ち上げようとした企業がある。ところが東北電力から予想外の時間と費用を提示され、当初の計画のまま進めることができなくなってしまった。ここに手をさしのべたのが米独企業の提供するサービスだった。

[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20130917Wirsol_map_250px.jpg 図1 岩手県一関市と発電所の位置

 メガソーラー建設に必要な手続きを終えた土地さえあれば、資金はもちろん、建設や保守管理までを請け負うサービス「メガソーラー・パートナー・プログラム」。ドイツの太陽光発電事業会社のWirsol Solarと米国の再生可能エネルギーに関する投資顧問会社Greenpower Capitalが共同で、2013年5月、日本市場向けに立ち上げたサービスだ。

 同サービスを利用する最初のプロジェクト売買契約が成立した。手続きが終わった土地(牧場、29万6300m2)を所有する地球ファクトリーサービスは、両社の支援を受けメガソーラーを立ち上げる(図1)。「今回は資金調達の他、メガソーラー開発に必要なノウハウと経験が不足していると聞き、それを補うことを目的に契約が成立した」(Greenpower Capital)。

 地球ファクトリーサービスは岩手県一関市の所有地をリースの形で提供する。2014年初頭に着工し、着工後8カ月で完成、2014年内に発電を開始する予定だ。設計の段階であるため、出力や年間予想発電量は未確定だ。太陽電池モジュールを約9万枚設置し、6000世帯に供給できる規模の年間発電量を目指すという。国内の平均的な消費電力量から計算すると、約3000万kWhに相当する発電量になる。

系統連系に予想外の時間と費用が掛かる

 地球ファクトリーサービスがメガソーラー・パートナー・プログラムの適用を受けた理由は、メガソーラーの発電開始まで、予想外の時間と費用が掛かることが分かったためだ。

 2012年12月時点では、同社は光ディスクや省エネ蛍光灯などを製造するオプトロムと出力22MWのメガソーラーの立ち上げで協業するとしていた(関連記事)。

 その後、出力を18MWに変更し、東北電力に接続検討(連系検討)を申し込んだところ、「受電送電線工事に36カ月程度、給電情報関係工事に7カ月程度かかり、事業開始は3年以上かかる」という内容の回答書を受け取ったという。36カ月を要するのは東北電力側の受電用鉄塔工事のためだ。さらに、受電用鉄塔工事に約6億円の先行投資が必要となる他、当初に想定していた以上の造成工事負担(約10億円強の追加)が生じた。

 以上のように利益が得られるまでに時間がかかり、初期投資がかさむことが分かったことから、Wirsol Solarとの交渉に入った形だ。

 オプトロムによれば、地球ファクトリーが申請中の18MWのプロジェクトの開発・建設を予定地の敷地の2分の1の面積で実施することでWirsol Solarから内諾を受けたという。オプトロムは残りの2分の1の造成工事負担が少ない部分で、規模を縮小し、メガソーラー事業を再度申請するという。

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