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» 2014年02月19日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:大型船にも役立つ太陽電池、CO2排出量を25%削減 (1/2)

川崎汽船は二酸化炭素や排気ガスの清浄化に役立つ多数の技術を大型の船舶に盛り込む。7500台の自動車を一度に輸送できる「フラグシップ」に太陽電池や最新型のエンジンを組み込むことで実現する。環境対応技術に投じる費用は船価の1割にも達する。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 化石燃料の消費量を減らし、二酸化炭素(CO2)や汚染物質の排出量を抑える試み、これは発電所や自動車だけに求められるものではない。川崎汽船は、7500台の自動車を1度に運搬できる大型自動車専用船(フラグシップ)において、二酸化炭素排出量を25%削減する目標を打ち出した。

 船舶は航空機や鉄道、車両などと比べて輸送量当たりの環境負荷が低い。しかし、搭載するディーゼル機関は重油を利用しており、二酸化炭素の他、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)の排出量をいかに削減するかが課題となっていた。

 「二酸化炭素の削減には船の大型化が効く。車1台当たりの輸送効率を高められるからだ。パナマ運河拡張工事に合わせて船幅を広くすることなどにより、従来の6000台積みの船型を7500台積みに拡張する。この他、最新型エンジンの採用や太陽光発電を組み合わせたことで、6000台積みと比較して二酸化炭素排出量25%削減できる見込みだ」(同社)。

環境対策に船価の1割を投じる

 川崎汽船は約2年前に究極の省エネと環境保全を実現するためのプロジェクト「DRIVE GREEN PROJECT」を立ち上げている。その成果が、2016年1月に完成を予定する今回のフラグシップだ。フラグシップを建造するのはジャパン マリンユナイテッド。同社の有明事業所(熊本県長洲町)で作り上げる。

 「このクラスの船型の場合、船価は70〜80億円。その10%程度をDRIVE GREEN PROJECTのために投資する予定だ」(川崎汽船)。

 図1に建造するフラグシップに盛り込む環境対応技術を示した。大型自動車専用船は甲板の上部に突出する部分がほとんどないため、太陽電池モジュールの設置に向いている。後ほど紹介する窒素酸化物や硫黄酸化物を抑制する技術も示した。

yh20140219kline_ship_590px.jpg 図1 フラグシップに盛り込まれる環境対応技術(クリックで拡大) 出典:川崎汽船

船に適する太陽電池はこれだ

 フラグシップに導入する太陽光発電システムの出力は最大150kW。太陽電池モジュールを約900枚搭載する。船内のほぼ全てに省エネ型のLED照明を採用するとともに、車両甲板用LED照明の電力供給を再生可能エネルギーでまかなうことができるという。「LED照明以外にも船用電力の全てに太陽電池からの電力を供給できる仕組みとする。太陽光発電を利用して船内発電機の発電量を節約することが目的だ」(同社)。

 採用した太陽電池モジュールはソーラーフロンティアのCIS太陽電池である。「高温時の出力低下が少なく、長時間の出力安定性に優れると判断したため、採用した」(同社)。

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