再生可能エネルギーが全世界で22%に、太陽光と風力が伸びるスマートシティ

国際的な再生可能エネルギーの推進団体であるREN21が世界各国の最新の導入状況をまとめた。全世界で稼働中の発電設備のうち再生可能エネルギーの比率が2013年末で22.1%に達した。1年前と比べて0.4ポイントの増加で、特に太陽光と風力の伸びが大きい。日本は太陽光で第4位に入った。

» 2014年06月06日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 REN21(Renewable Energy policy Network for the 21st century)は世界各国の政府や業界団体などと連携する非営利の機関で、国連環境計画とも協力関係にある。全世界の再生可能エネルギーの導入状況を毎年調査していて、このほど最新の2013年末の統計データを発表した。

 再生可能エネルギーを利用する発電設備は1560GW(ギガワット=100万kW)に達して、火力や原子力を含めて全世界で稼働する発電設備の22.1%を占めるまでに拡大した(図1)。2012年末の比率は21.7%で、1年間に0.4ポイント上昇したことになる。

図1 全世界の発電設備に占める再生可能エネルギーの比率(2013年末時点で稼働中の設備容量をもとに推定)。再生可能エネルギーは水力(Hydropower)、風力(Wind)、バイオマス(Bio-power)、太陽光(Solar-PV)、地熱(Geothermal)、太陽熱(CSP)、海洋(Ocean)を含む。出典:REN21

 導入量が最も多いのは従来からある水力で16.4%、次いで風力が2.9%、バイオマスが1.8%、太陽光が0.7%の順になる。ただし2013年の1年間では風力と太陽光が大きく伸びた。再生可能エネルギー全体では120GWの発電設備が増加したが、このうち風力が35GW、太陽光が39GW、水力が40GWを占めている。

 国別では中国の導入量が最も多く、水力を除く新しいタイプの再生可能エネルギーだけで118GWの規模に拡大した。中国は水力の導入量でも最大で、世界の再生可能エネルギーを全面的にリードしている状況だ。さらに第2位の米国と第3位のドイツを加えた3カ国が他を圧倒している(図2)。その中ではドイツの太陽光発電の多さが目を引く。

図2 地域別と上位6カ国の再生可能エネルギーによる発電設備容量(水力を除く。2013年末時点)。出典:REN21

 太陽光発電だけに限ると、ドイツの導入量は世界で第1位だ(図3)。第2位の中国の2倍の規模があるが、2013年に新たに追加した設備は中国が群を抜いて多い。日本も中国に次いで設備容量を増やして、稼働ベースで第4位に入った。このペースで増えていけば、2年後の2015年末にはイタリアを抜いて第3位に上がる。

図3 太陽光発電で上位10カ国の設備容量と2013年に追加した容量。出典:REN21

 一方の風力発電ではトップ10にも入っていない。風力でも中国の伸びが大きく、稼働ベースでは第2位の米国と比べて1.5倍の規模になった(図4)。今後さらに差が広がっていくことは確実だ。トップ10の顔ぶれを見ると、ヨーロッパが6カ国を占めていて、各国とも着実に導入量を増やしている。

図4 風力発電で上位10カ国の設備容量と2013年に追加した容量。出典:REN21

 このほかに日本は地熱発電で第8位に入っているものの、2013年の導入量は増えていない。地熱とバイオマスでは米国が第1位を続けている。

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