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» 2014年06月09日 11時00分 UPDATE

スマートシティ:大阪府が緑地の一部をメガソーラーに、土地の賃貸料は年間1770万円

河川からの洪水を防ぐために造られた緑地は、大雨の時に調整池の役割を果たす。大阪府は用途の限られる緑地の一部をメガソーラー用に貸し付ける。3万平方メートルの用地の賃貸料は年間で1770万円にのぼる。一方で事業者の売電収入は9400万円を見込めるが、特別に浸水対策が必要になる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 大阪平野の東部に位置する東大阪市は低い土地が多く、大雨になると河川がはんらんして洪水になりやすい。市内を流れる「恩地川(おんちがわ)」には治水のための緑地が設けられていて、川の水を貯めて洪水を防いでいる。その緑地のうち3万平方メートルの区域をメガソーラーの建設用に貸し付けることが決まった(図1)。

onchigawa2_sj.jpg 図1 「恩地川治水緑地」の所在地。出典:大阪府環境農林水産部

 大阪府が実施した競争入札の結果、兵庫県を中心にメガソーラー事業を展開する洸陽電機が落札した。1平方メートルあたりの賃貸料は大阪府が設定した上限値の年額590円で確定して、3万平方メートルでは1770万円になる。賃貸期間は最長で20年間まで延長できる。

 メガソーラーの発電規模は2.49MW(メガワット)を予定していて、年間の発電量は294万kWhを想定する。一般家庭で約800世帯分の電力になる。発電した電力を売電すると、2014年度の買取価格(1kWhあたり32円、税抜き)を適用すれば年間に9400万円を見込める。

 ただし建設にあたっては制約がいくつかある。建設区域が河川法の対象になるために、工事や点検に関して管理者である大阪府の許可を得る必要がある。さらに区域内には河川管理用の通路があり、送電線を通過させる場合には大阪府と東大阪市の三者で協議しなくてはならない(図2)。

onchigawa1_sj.jpg 図2 メガソーラーの建設予定区域。出典:大阪府環境農林水産部

 さらに洪水を防ぐために河川からの水を緑地に貯蔵する場合があり、発電設備が浸水する可能性がある。浸水対策を講じるのは事業者の責任で、浸水した場合の損害は補償されない。このほかにも災害時に府民が太陽光発電の電力を無償で利用できるように、蓄電池や非常用の電源コンセントを設置することが義務づけられている。

 緑地の一帯は「池島・福万寺遺跡」としても知られていて、縄文時代末期からの集落跡が見つかっている。府民の憩いの場にもなっていることから、メガソーラーに避難所としての役割を持たせて地域の理解を得る考えだ。

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