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» 2014年07月30日 11時00分 UPDATE

自然エネルギー:世界遺産の地に13MWの太陽光、建設しても大丈夫?

ソーラーフロンティアは2014年7月、岩手県平泉町に出力13MWの大規模太陽光発電所を建設すると発表した。2016年の完成を予定する。世界遺産と共存できる発電所なのだという。

[畑陽一郎,スマートジャパン]
yh20140730SF_map_250px.jpg 図1 岩手県平泉町と発電所の位置

 ソーラーフロンティアは2014年7月、岩手県平泉町平泉に出力13MWの大規模太陽光発電所を建設すると発表した(図1)。

 同社のCIS薄膜太陽電池モジュールを約7万9000枚設置し、平泉町の全世帯(2630世帯)の年間消費電力量とほぼ同等の電力を発電する計画だ。固定価格買取制度(FIT)を利用して全量を東北電力に売電する。

世界遺産は大丈夫なのか

 建設予定地の平泉町は東北地方で唯一の世界遺産(文化遺産)「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」を擁している(図2)*1)。このような土地に大規模太陽光発電所はそぐわないのではないだろうか。

*1) 中尊寺と毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡という4つの浄土庭園と、金鶏山からなる。11世紀から12世紀当時、政治経済の上で京都と拮抗していた時代の文化遺産だ。東北地方にはこの他、世界遺産(自然遺産)が1つある。白神山地(青森県、秋田県)だ。

yh20140730SF_garden_500px.jpg 図2 毛越寺浄土庭園 出典:ソーラーフロンティア

 ソーラーフロンティアによれば、発電所の建設予定地は、もともと土砂の採集地であり、採集事業が終わった後、町が用途を探していた土地なのだという。周囲は木々に囲まれており、世界遺産とは東北自動車道を挟んで反対側に位置する。「発電所の完成後は売電収入の一部を寄付など形で、歴史的資産の保全のために還元することを検討している」(ソーラーフロンティア)。

 発電所の計画は平泉町が公募したものであり、同社によれば、CIS薄膜太陽電池モジュールの優位性(実発電能力)と、モジュールの生産から発電所運営まで1社で実行できる体制が評価されて事業化に至ったという。

 建設予定地の面積は、約30万m2(図3)。このうち、27万m2が町有地、3万m2が山目生産森林組合の所有地だ。ソーラーフロンティアは20年間土地を賃借し、発電所の事業者となる。2015年3月に着工を予定し、千代田化工建設が設計・調達・建設(EPC)を担当する。2016年に完成を予定する。

yh20140730SF_ground_500px.jpg 図3 大規模太陽光発電所の建設予定地 出典:ソーラーフロンティア

 平泉町は冬季に降雪がある。「当社の太陽電池モジュールを採用した『新潟雪国型メガソーラー』(新潟市東区)では当初の目標以上の発電実績を得ている。CIS薄膜太陽電池モジュールは影に強く、雪の滑り落ちが良いためだ」(ソーラーフロンティア)。同発電所が2010年8月に運転を開始した後、1年間の発電実績を見ると、確かに計画よりも発電量が20%多くなっていた(関連記事)。

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