被災した農業高校の跡地に20MWのメガソーラー、地域の復興を後押しスマートシティ

宮城県の名取市は太平洋に面した温暖で農業の盛んな場所だ。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた沿岸部の復興に向けて、地域の電力源にもなるメガソーラーを建設する。震災後に移転した農業高校の跡地を利用する計画で、宮城県は年間に2400万円の賃貸料を20年間にわたって得る。

» 2014年08月06日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 名取市の位置。出典:名取市役所

 名取市は仙台市の南に隣接する人口7万5000人の市で、主な産業は農業と水産業である(図1)。沿岸部を中心に大震災による津波で壊滅的な被害を受け、復興の途上にある。太平洋岸から1キロメートルほどの農業地域に建っていた「宮城県農業高等学校」の校舎も復旧は難しく、市内の別の地域に仮設校舎を建設して移転した。

 その跡地に大規模なメガソーラーを建設することが決まった(図2)。全国各地にメガソーラーを展開する日本アジアグループが、宮城県から20年間にわたって土地を借り受けて発電事業を実施する。

図2 メガソーラーの建設予定地。出典:名取市生活経済部

 建設予定地の面積は約30万平方メートルで、土地の賃貸料は1平方メートルあたり年間に80円である。県は賃貸料として年間に2400万円、20年間の累計で4億8000万円の収入を得ることができる。

 日本アジアグループは運河に囲まれた用地に、約20MW(メガソーラー)のメガソーラーを建設する計画だ(図3)。年間の発電量は一般家庭で6000世帯分の電力使用量に相当する見込みで、名取市の総世帯数(約2万8000世帯)の2割以上をカバーすることができる。2015年度の上期に着工して、2016年度末に運転を開始する予定である。

図3 「名取ソーラーウェイ」の完成イメージ。出典:日本アジアグループ

 宮城県と名取市は7月28日に日本アジアグループとのあいだでメガソーラー事業の協定書を締結した。村井宮城県知事は締結にあたって、「事業実施の判断は相当困難なものだったものと思うが,御英断に感謝申し上げる。県としても全力で支援したい」と語った。

 名取市では2011年10月に「名取市震災復興計画」を策定して、特に被害の大きかった沿岸部を中心に復興計画を進めている(図4)。メガソーラーを建設する「下増田(しもますだ)地区」は災害に強い農地として復活を目指す。

図4 「名取市震災復興計画」による沿岸部の復興イメージ。出典:名取市建設部

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