データセンターが変わる、NTTが380Vの高圧直流給電に本腰蓄電・発電機器(2/2 ページ)

» 2014年08月14日 13時50分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]
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HVDC普及の前提が整う

 「本年度の導入件数として10システムを狙う。事業規模は17億円だ」(NTTファシリティーズ)。同社がHVDC給電システムのサービスを開始した背景には、NTTグループ全体の動向がある。2016年度からNTTグループの通信ビルやデータセンターにおいてHVDC給電システムの本格導入を開始する。

 HVDCの標準化も整ってきた。高電圧の直流で給電するといっても、標準電圧を何Vにするのか、ICT装置とのインタフェースには何が必要なのか、電源の定格容量はどの程度なのか、異常に対する予防策をどうするのかといったさまざまな要求に応える必要がある。

 NTTは2014年8月にHVDCインタフェースに関するテクニカルリクワイヤメント(TR:技術要件書)を公開(PDF)。さらに率先してICT分野全体の省エネルギー化を推進することを表明した*4)。TRではICT装置の定格電圧を380V、動作電圧範囲を260〜400Vと規定した(図3)。ICT装置の搭載電源の定格容量は1給電系統当たり7.8kW以下とした。インタフェースや異常条件に備えた試験の基準も規定している。

*4) TR公開に至る前に国際勧告の制定にも協力している。NTT環境エネルギー研究所が標準化活動を先導した結果、ITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)において、ITU-T L.1200「電気通信及びICT装置の入力端における400Vまでの直流給電インタフェース」(2012年5月)とITU-T L.1201「直流400Vまでの給電システムの構成」(2014年3月)を制定した。

図3 TRが定めたインタフェース仕様 出典:NTT

【訂正】 記事の掲載当初、記事タイトルと要約で、HVDCの給電電圧を「480V」としておりましたが、これは「380V」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。上記記事はすでに訂正済みです。(2014年8月14日)

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