電気自動車やエアコンをHEMSで便利に、外出先から操作可能エネルギー管理(2/2 ページ)

» 2014年08月22日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
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外出先から家電をオンオフできる

 クラウド対応では、外出先からスマートフォン経由で家電を操作できる機能が目玉だ。HEMSに接続されている家電が対象となる。例えばエアコンだ。帰宅前に冷房を入れることはもちろん、設定温度や動作モードを変更できる。電源の入り切りも自由だ(図3)。従来版の三菱HEMSでは備えていなかった機能であり、ユーザーからの要望に応じて追加したのだという。

 夜間電力などを用いて空気の熱をヒートポンプでくみ上げ、湯を沸かすエコキュートにも対応している。水から湯を作る「わき上げ」動作や、湯が減ったときに給水し、湯の温度を保つ「満タンわき増し」動作を操作できる。エコキュートは毎日決まった時間に湯を作るように運転するものの、家族旅行などで自宅を空ける場合には動作を止めておく。旅行の予定が変わり、帰宅日が早まったり遅れたりした場合も、HEMSを遠隔操作して事前に動作予定を設定できる。

 なお、「まとめてOFF」機能を用いるとHEMSに接続されている全家電の電源をまとめて外出先からオフにできる。

図3 エアコンを操作する画面と、まとめてOFF画面 出典:三菱電機

接続できる家電の種類が増え、機器連携が容易に

 新製品ではECHONET Lite規格を用いて接続できる製品の種類が倍増し、14製品となった*3)。接続できる製品の種類が増えると、製品同士を連携して動かせるようになるため、使い勝手が良くなる。

 まずエコキュートと浴室換気扇の連動だ。冬季にエコキュートを利用して浴槽への湯張りを始めるとしよう。当然、すぐに入浴するはずだ。そこで、浴室換気扇の風量をHEMSが操作して自動的に弱や停止に変える。これで入浴時に寒さを感じなくて済む。宅内で利用するエネルギーも減っており、HEMSらしい機能だといえるだろう。

 キッチンでも役立つ。レンジフードファンを動かすと、風量が多いためドアが開きにくくなったり、すきま風が入ったりする。そこで部屋の換気扇をHEMSが自動制御し、快適性を高める。

*3) 従来のルームエアコンとエコキュート、IHクッキングヒーター、冷蔵庫、エアフロー環気システム、ヒートポンプ式冷温水システム、液晶テレビの他、新たにEV用パワーコンディショナー、ダクト用換気扇、カウンターアローファン、ロスナイセントラル換気システム、バス乾燥・暖房・換気システム、レンジフードファン、ハウジングエアコンを追加した。これはECHONET Lite接続が可能なHEMSとして、最多であるという。

「見える化」がより分かりやすく

 HEMSが一般に備えている見える化機能も強化した。三菱HEMSは専用アプリケーションをインストールしたAndroidタブレットを操作パネル兼表示画面として使う。

 新製品では太陽光発電システムの表示装置としても利用できるようになった他、画面の種類を21増やして36とした(図4、図5)。図に示した4つの画面のうち、ホーム画面に相当する「エネマネグラフ」以外の3つは、新製品で新たに表示できるようになった画面だ。

図4 エネマネグラフ(左)と太陽光発電関連の画面(クリックで拡大) 出典:三菱電機
図5 電気自動車の充電状態が分かる画面(左)と宅内の電力関連を数値で比較できる実績画面(クリックで拡大) 出典:三菱電機

 家庭内でHEMSや電気自動車、家電がどのように結び付くのか、接続関係を図6に示した。図6ではHEMSを青枠で、同社の電力変換装置SMART V2Hを赤枠で強調した。図中にあるCTケーブルとは交流電流センサー(CT)とエネルギー計測ユニットを接続する配線をいう。

図6 HEMSと家電などの接続関係(クリックで拡大) 出典:三菱電機
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