電気自動車やエアコンをHEMSで便利に、外出先から操作可能エネルギー管理(1/2 ページ)

三菱電機は、電気自動車との連携を強化し、クラウド対応をうたう「三菱HEMS HM-ST03」を2014年10月に発売する。電気自動車の充電制御や外出先からの家電操作が可能になった。節電しつつ、複数の家電を組み合わせた快適さを享受できる。一般家庭をスマートハウス化する際に役立つ。

» 2014年08月22日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 三菱電機は、電気自動車との連携を強化し、クラウド対応をうたう家庭用エネルギー管理システム(HEMS)の新製品「三菱HEMS HM-ST03」を2014年10月に発売する(図1)。初代の製品に対して、4点を強化した。電気自動車(EV)との連携機能、クラウド対応、接続可能な製品の数、見える化機能だ。

 図1に示したように新HEMSは制御を行う「情報収集ユニット」と、機器の電流を計測する「エネルギー計測ユニット」からなる*1)

*1) 2つのユニットの間は無線(Wi-Fi)で接続できる。有線接続(10BASE-Tなど)も選択可能だ。2つのユニットを合わせたHEMSの価格は10万7000円(税別)。

図1 情報収集ユニット(左)とエネルギー計測ユニットの外観 出典:三菱電機

電気自動車との連携が充実

 電気自動車との連携機能は充実している。同社が2014年7月に発売したばかりの電力変換装置「SMART V2H」と組み合わせて使う(関連記事)。SMART V2Hを導入すると、通常時でも停電時でも電気自動車と太陽光発電システムを自宅と接続して自在に使うことができる。

 電気自動車を使いこなしていくと、充電操作が煩わしく思えることがあるだろう。使いたいときに充電できていないと困る。支払う電気料金が少なくなるよう、生活パターンに合わせて最適な電気料金メニューを選んだ場合、手間が増える*2)。深夜にのみ充電したいが、夜遅くわざわざ操作するのは面倒だ。

 三菱HEMSは初代から「ファミリーカレンダー機能」を備えており、家族の生活パターンに応じて家電を制御する機能を備えている。カレンダー画面にイベントを登録すると、HEMSに対応するエアコンなどの宅内機器が応じる。

 このファミリーカレンダー機能に車を使う予定のスケジュールを書き込んでおくと、予定時刻の約8時間前から自動的に充電が始まる(図2)。予定時刻を書き込んでいなかったとしても、充電完了時間を予測する機能が追加されているため、外出の予定を立てやすく、待ち時間をもてあますことが少なくなる。

*2) 例えば東京電力の電化上手では午後11時から午前7時は1kWh当たり12.16円(税込)と安価だが、夏季の昼間は38.63円と高い。昼間に充電すると「損」になる。

図2 ファミリーカレンダー機能が電気自動車の充電と連動する 出典:三菱電機

 充放電の時間帯別プランを設定する機能を備えているため、電気料金メニューを工夫している家庭にも向く。電力小売自由化や料金体系の変化に備えて、ユーザー独自のプランも作成できるようにした。

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