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» 2014年09月01日 13時00分 UPDATE

データで見る世界と日本のエネルギー事情(4):日本の天然ガスと石炭はオーストラリア産が最大、原油の中東依存は変わらず (1/2)

火力発電の電源構成が大きく変化して、日本では天然ガスと石炭の輸入量が増える一方、原油は減少傾向が続く。現在は天然ガスの2割、石炭の6割をオーストラリアから輸入している。ただし原油を中東に依存する状況に変わりはなく、天然ガスも世界の埋蔵量の4割以上が中東に集中する。

[石田雅也,スマートジャパン]

第3回:「火力と原子力で決まるCO2排出量、2035年には全世界で1.2倍に増加」

 1次エネルギーの自給率がわずか6%の日本にとって、輸入による化石燃料の安定確保は極めて重要である。2000年以降の輸入量を見ると、LNG(液化天然ガス)と石炭が増加する一方で、原油は徐々に減ってきた(図1)。特に東日本大震災が発生した2011年からLNGと石炭の伸びが著しい。

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energy2014_fig4_1_sj.jpg 図1 日本のLNG・石炭・原油の輸入量。出典:資源エネルギー庁(財務省の資料をもとに作成)

 火力発電の燃料で最も効率の良いLNGの輸入量は今後も増え続ける見込みだ。日本がLNGを輸入する相手国は過去4年間で大きく変わった。2010年の時点では東南アジアのマレーシアとインドネシアが多かったが、2013年には総輸入量が2010年から25%も増えて、オーストラリアと中東のカタールの比率が上昇した(図2)。

energy2014_fig2_sj.jpg 図2 日本のLNG輸入国。出典:資源エネルギー庁(財務省の資料をもとに作成)

 世界全体ではヨーロッパが天然ガスの生産量の3割強を占めて最も多い(図3)。次いで北米、中東、アジア大洋州の順になる。これまで北米から日本には天然ガスを輸入できなかったが、米国の政策転換によって2018年から輸入が始まる予定だ。一方で天然ガスの埋蔵量は中東が圧倒的に多くて43%を占めている(図4)。将来は石油と同じように天然ガスでも、中東に依存する割合が高まる懸念はある。

energy2014_fig24_sj.jpg 図3 地域別の天然ガス生産量。出典:資源エネルギー庁(英国BPの資料をもとに作成)
energy2014_fig23_sj.jpg 図4 地域別の天然ガス埋蔵量(2012年末)。出典:資源エネルギー庁(英国BPの資料をもとに作成)

 LNGと並んで今後の火力発電の燃料として重要な石炭は、オーストラリアからの輸入量が断然多くて62%に達している(図5)。第2位のインドネシアの3倍以上にのぼる。石炭の輸入先は太平洋沿岸にある日本から距離が近くて友好関係にある国が多く、当面は安い価格で安定的に確保できる見通しだ。

energy2014_fig15_sj.jpg 図5 日本の石炭輸入国(2012年度)。出典:資源エネルギー庁(財務省の資料をもとに作成)

 石炭の生産量は中国が世界の45%を占めているほか、上位10カ国で80%を生産している(図6)。ただし埋蔵量では米国、ロシア、ヨーロッパ諸国、中国などに分散していて、特定の国や地域による支配力が強まる可能性は小さい(図7)

energy2014_fig28_sj.jpg 図6 国別の石炭生産量。出典:資源エネルギー庁(IEAの資料をもとに作成)
energy2014_fig25_sj.jpg 図7 国別の石炭埋蔵量(2008年末)。出典:資源エネルギー庁(英国BPの資料をもとに作成)
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