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» 2014年11月28日 07時00分 UPDATE

自然エネルギー:水素に風力、新エネに走るホンダ

ホンダがゼロエミッションの取り組みを相次いで進めている。2014年11月に燃料電池車のコンセプトモデルを発表後、カリフォルニア州で水素ステーションに投資、ブラジルでは自動車工場で必要な量と同等の電力を風力発電で生み出す。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 ホンダがゼロエミッションの取り組みを加速している。水素ステーション普及や風力発電を利用した電力確保だ。

 ホンダは再生可能エネルギーを利用して水素ステーション内で水素を作りだし、燃料電池車で利用する絵を描いている。2014年9月には、さいたま市内に水素を製造する「パッケージ型スマート水素ステーション」を設置(関連記事)。

 2014年11月17日には燃料電池車のコンセプトカー「Honda FCV CONCEPT」を発表(関連記事)。2015年度内に国内で一般販売を開始する。その後、欧米市場が続く。

米国市場で水素ステーションに投資

 米国市場では、国内とは異なる取り組みもある。2014年11月18日から同30日まで米カリフォルニア州ロサンゼルス市で開催中の「Los Angeles Auto Show」では、全米に水素ステーションを設置している企業FirstElement Fuelに、1380万米ドルの支援を行うことを発表した。

 同州の助成金とホンダの支援を合わせると、12カ所の水素ステーションが設置可能になるという。同州の大気資源局(CARB)は、州内で自動車を販売する企業に対して、ZEV(ゼロエミッション車)の販売比率を定めている。燃料電池車は電気自動車と並んで規制を最もクリアしやすい車だ。2018年以降はこのZEV規制が厳しくなるため、これに備えるインフラ作りだといえるだろう。

 なお、同州は水素ステーションの設置数を増やすために、今後数年間、2億米ドルの助成金を追加交付する予定だという。

風力発電で電力賄う

 2014年11月27日にはブラジル自動車業界で初の風力発電拠点を立ち上げたと発表した。企業活動で生じる環境負荷を最小化するための取り組みだ。

 ブラジル国内で風力発電事業を進めているのは海外法人のホンダエナジー・ド・ブラジル(Honda Energy do Brasil)。ブラジル最南部のリオ・グランジ・ド・スル州シャングリラ市に風力発電所を建設した。事業費は約1億レアル(約46億円)。

yh20141128Honda_WP_590px.jpg 図1 発電を開始したブラジルの風力発電拠点(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 最大出力3MWの風車を8台設置、合計最大出力は27MW(図2)。予想年間発電量は約9万5000MWhである。この発電量は、ホンダがブラジルで四輪車を生産(年間約14万台)するために必要な電力量に相当するという。

再生可能エネルギー王国ブラジル

 ブラジルの面積は日本の22.5倍、そこに約2億人が暮らしている。総発電量は日本の2分の1程度。電化率は99.0%だ。

 ブラジルは電力の8割程度を水力発電(85.7GW、415TWh)で得るなど、再生可能エネルギー資源に恵まれた国だ。水力だけではない。例えば2013年時点でエタノール生産量は米国に次いで世界第2位。バイオディーゼル生産量が第3位。このため輸送用燃料の13%をガソリン以外のバイオ燃料が担っている。

 バガス(関連記事)を用いたバイオマス発電容量(11.4GW、約48TWh)は第4位、電力の7%を賄う他、産業向けの熱の43%をバイオマスから得ているという。

 このような恵まれた状況下にあるにもかかわらず、さらに再生可能エネルギー利用を拡大しようとしている*1)。一次エネルギーや発電量に占める比率目標は定めていないものの、2021年までにバイオマス発電を19.3GW、風力発電を15.6GW、小水力発電を7.8GW導入する計画だ。

*1) ブラジルは2002年に固定価格買取制度(FIT)を導入後、全量買取制度を後退させ、自家消費分を除く余剰買取制度(ネットメータリング法)に置き換えた。自然エネルギー割り当て義務制度(RPS)も採用していない。バイオ燃料の利用は義務付けている。

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