電力自由化に何を求める? 料金かサービスか電力供給サービス(1/2 ページ)

博報堂は2015年1月22日、電力小売自由化に関するアンケート調査の結果を発表した。料金が10%以上下がるのであれば「切り替えようと思う」という回答が過半数を占める。サービスについてはいくぶん矛盾した要求があった。

» 2015年01月22日 17時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 博報堂は2015年1月22日、電力小売自由化に関するアンケート調査の結果を発表した*1)

 調査結果によれば、電力小売自由化に対する認知度は80.8%と高い。自由化後に電力会社を「変えてみたい」という回答は64%。電力会社を選ぶ基準は第1に「価格の安さ」。75.5%が選んだ。

*1) 博報堂エネルギーマーケティング推進室が2014年9月にインターネット調査を実施。調査対象は全国の20代から60代の男女1000人。同社は2010年からエネルギーに関する生活者調査を続けている。

自由化に関する情報が不足している

 このような結果を見ると、価格が最大の決定要因だと判断できそうだ。

 だが、調査結果の内容をもう少し細かく見ていくと、価格だけではないことが分かる。2016年4月ごろの自由化まで、1年以上、まだまだ情報が不足しており、具体的な判断基準を持つことが難しいという背景がありそうだ。

 まず、自由化の認知度は80.8%と一見高いものの、「聞いたことがあり、内容はなんとなく知っている」(37.5%)が最大であり、次に「聞いたことはあるが、内容は知らない」(30.2%)。

 電力会社を「変えてみたい」という回答も、「電気代が今より安くなるのであれば電力会社を変えてみたいと思う」(58.1%)という回答が大半を占める(図1)。

図1 電力会社変更に抵抗感は少ない 出典:博報堂

 情報が少ないという状況を最もよく示しているのが、電力会社を変更するタイミングだ。電力会社を「変えてみたい」という64%の回答者を対象に、いつ変更するかを質問した回答が図2だ。様子見に相当する意見が8割以上を占める。「自由化後にすぐに変える」と答えた比率は男性(21.1%)が女性(12.0%)の約2倍、年代別では40〜60代が比較的意欲的だ。

図2 様子見が大半を占める 出典:博報堂
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