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» 2015年02月23日 07時00分 UPDATE

スマートファクトリ:製鉄所のCO2を木質バイオマスで減らす、石炭混焼発電を拡大する新日鉄住金

製鉄業界で最大手の新日鉄住金が火力発電の燃料に大量の木質バイオマスを利用する。大分県と岩手県の製鉄所で運転中の石炭火力発電設備に木質バイオマスを混焼する設備を増設して、年間6万トンにのぼる地域の未利用木材を活用する計画だ。CO2排出量を削減しながら各地の林業を支援する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 新日鉄住金は全国9カ所に製鉄所を所有していて、製鉄にも利用する石炭を燃料に大規模な火力発電設備を運転している。このうち2カ所の製鉄所で木質バイオマスを大量に使って石炭混焼発電を拡大中だ。

 1カ所目は大分県にある「大分製鉄所」で、発電能力が33万kWある石炭火力発電設備に混焼のための設備を新設した(図1)。大分県の森林で発生する間伐材などの林地残材を木質チップに加工して燃料に利用する。2014年12月に混焼を開始して、2015年2月から木質チップの使用量を月間1000トン(年間1万2000トン)に増やした。木質バイオマスの混焼率は約2%になる。

shinnittetsu_biomas1_sj.jpg 図1 「大分製鉄所」の木質バイオマス混焼発電設備の一部。出典:新日鉄住金

 一方で岩手県にある「釜石製鉄所」では2010年から木質バイオマス混焼発電に取り組んできた(図2)。従来は年間に7000トンの木質チップを石炭と混焼していたが、使用量を4万8000トンまで増やすために新しい設備を導入する。

 事前破砕設備を使って木質チップを細粒にする方法で、石炭と混焼できる比率を高める。混焼率は現在の2%から20%近くまで向上する見通しだ。木質バイオマスと石炭の受け入れ設備やボイラーも増強する。新しい設備による混焼発電は2015年6月に開始する予定である。

shinnittetsu_biomas2_sj.jpg 図2 「釜石製鉄所」の木質バイオマス混焼発電設備。出典:新日鉄住金

 2カ所の製鉄所で実施する混焼発電によって、年間に6万トンの木質バイオマスを消費できる。CO2排出量は合計で8万トン以上になる見込みで、大量のCO2を排出する製鉄所の環境負荷が低減する。新日鉄住金は製鉄所で発電した電力の一部を各地域の電力会社に供給している。

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