2025年に埼玉県内の燃料電池車を6万台に、100万円の購入補助補助金

2025年に県内における燃料電池車の普及台数を6万台、水素ステーションの設置数を30基という目標を掲げている埼玉県。2015年4月7日から燃料電池車の普及促進を狙い、1台につき100万円の補助金を支給する。

» 2015年04月15日 09時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 燃料電池車(FCV)の普及に向けて自治体が購入を支援する動きが広がってきた。関東圏では東京都、神奈川県に続いて埼玉県が2015年4月7日からFCVの購入者に対して補助金を支給することを発表した。埼玉県は2025年までに県内でFCVを約6万台普及させる目標を掲げており、補助金によって購入を促進する狙いだ。

図1 FCV1台につき100万円を埼玉県が補助する 出典:埼玉県

 補助額は1台につき100万円支給され、先着100台までとなっている。トヨタ自動車が2014年12月15日に発売したFCV「MIRAI(ミライ)」の場合、税込み価格は723万6000円。国からの202万円と埼玉県からの100万円の補助を適用すれば、421万6000円で購入できる計算になる。

 補助金の対象者は、県内に事業所を置く法人やリース業者に加え、個人も含まれる。対象となるFCVは、2015年4月1日以降に購入もしくはリース契約されたもので、2016年3月20日までに新車登録を行ったものとなっている。

2025年に30基の水素ステーションと6万台のFCV

 埼玉県は水素社会の実現に向けたロードマップを発表しており、2020年までに県内に水素ステーションを17基設置し、FCVを6000台普及させるという目標を掲げている。2025年にはこれらをそれぞれ30基、6万台にまで拡大させる方針だ。この30基という目標は、埼玉県内に住む人が誰でも15分以内に水素ステーションにアクセスできるという条件を基に算出したという。

図2 埼玉県内における水素ステーションの設置状況 出典:埼玉県

 2015年3月時点における埼玉県内の水素ステーションの稼働数は、さいたま市、狭山市、春日部市でそれぞれ1基ずつという状況だ。2015年内には幹線道路沿いを中心に、さらに5基の水素ステーションを設置する予定だという(図2)。埼玉県は2012年にホンダや岩谷産業と協力し、県庁敷地内に水素ステーションを設置している。この設備は2015年度に撤去し、新た都市型のコンパクトタイプの水素ステーションを設置する予定だ。

 埼玉県知事を務める上田清司氏は2015年4月7日の記者会見で、「水素ステーションを普及させるためには、水素エネルギーのネットワークを構築する必要がある。将来的に水素の利用を家庭やオフィスビル、工場などにも拡大していきたい。下水などを活用した水素の製造システムや、水素の運搬や供給方法なども含め、国が進めている水素社会の実現に向けた取り組みに埼玉県も歩調を合わせていく」と語った。

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