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» 2015年04月23日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:ミドリムシで飛ぶ航空機、米国で研究開始

バイオベンチャーのユーグレナが米国カリフォルニア州で、航空機向け次世代バイオ燃料の実現に向けた研究を開始した。2020年にユーグレナ(ミドリムシ)を利用したバイオ燃料を実用化するという目標に向け、大規模な屋外培養技術の確立を目指す。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 化石燃料に替わる次世代燃料として期待されているバイオ燃料。バイオベンチャーのユーグレナは米国カリフォルニア州で、航空機燃料向けユーグレナの屋外培養研究を開始したと発表した。研究期間は2015年9月末まで。

 和名でミドリムシと呼ばれるユーグレナは、光合成を行う藻類の微生物(図1)。太陽光による培養が可能で、バイオ燃料の元となるワックスエステルという油脂成分の高い生成能力を持つ。こうした特性から環境への負荷を抑えてバイオ燃料の原料を生成できる生物として注目されており、IHIや神鋼環境ソリューションなどもユーグレナを利用したバイオ燃料事業に注力している(関連記事)。「スーパーユーグレナ」と呼ばれるユーグレナの遺伝子を組み換え、ワックスエステルをより効率良く取り出せるように改良したものも開発されている。

rk_150422_baio01.jpg 図1 藻類の微生物「ユーグレナ」出典:ユーグレナ

 屋外培養研究が行われるのは米国カリフォルニア州に位置するカリフォルニア大学サンディエゴ校。同大学はスーパーユーグレナのような遺伝子組み換え藻類の培養実績を持っており、こうした知見を活用してユーグレナの航空機燃料への活用に関する検討や、屋外での大量培養の効率化に向けた研究を進めていく狙いだ。

 ユーグレナの培養には太陽光が欠かせないが、カリフォルニア州は年間を通して降雨日数が少なく安定して高い日射量を得られるという培養拠点としてのメリットもある。こうした好条件下で培養研究を行い、得たデータは今後行うユーグレナの培養候補地の選定に活用していく。

 ユーグレナは航空機向けバイオ燃料製造のロードマップとして、2018年までに要素技術を確立し、2020年に実用化という目標を掲げている。現在は日本国内にバイオ燃料精製実証設備を建設する計画も進めている。2015年2月にはこうした実証設備の建設に向け、米国のシェブロンラマスグローバルが持つ独自のバイオ燃料製造技術の利用に関する基本合意も発表。ユーグレナを利用したバイオ燃料の生産に向けた研究開発を加速させている。

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