火力のリプレースで太陽光発電設備を移設、「メガソーラーかわごえ」へ電力供給サービス

中部電力は愛知県武豊町の武豊火力発電所5号機の開発に合わせて、同発電所内にある「メガソーラーたけとよ」の発電設備を、三重県川越町の川越火力発電所構内へ移設することを決めた。

» 2015年05月08日 15時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 中部電力武豊火力発電所では既設の2〜4号機を2015年度(2016年3月期)に廃止し、撤去する計画。さらに、廃止済みの1号機も撤去し、2021年度(2022年3月期)の営業運転を目指して出力107万kW(キロワット)の石炭火力発電設備を新設(2018年着工予定)する予定だ。従来の火力発電設備は、運転開始から40年以上経過しており老朽化が進んでいた。この重原油焚き発電設備を、高効率の石炭焚き発電設備へリプレースすることで、安価で安定的な電力供給を図る方針としている。

 この火力発電設備のリプレース計画に伴い、同発電所内の敷地に建設していた、太陽光発電設備を移設することを決めた。移設先の川越火力発電所構内には同メガソーラーと同じ規模の7500kWの発電設備が設置できる敷地があり、付近に発電設備を接続できる送電線がある。そのため中部電力は、早期の運転開始が可能で、発電設備を有効活用できると判断した(図1)。

photo 図1:武豊火力発電所と川越火力発電所の位置関係(クリックで拡大)※出典:中部電力

 「メガソーラーたけとよ」は2011年10月に中部電力がグループ会社一体となった再生可能エネルギー開発を目的に運転を開始。出力は7500kWで想定年間発電量は1140万kWh(キロワット時)。一般家庭3200世帯分の年間使用電気量に匹敵する発電能力を備えている。2016〜2017年度にかけて移設し、完了後は「メガソーラーかわごえ」と名称を改め、2017年度の運転開始を目指す(図2)。

photo 図2:メガソーラーかわごえの設置場所(クリックで拡大)※出典:中部電力

 中部電力では安価で良質なエネルギーの安定的な提供を目指す中で、再生可能エネルギーの普及・拡大にも力を注いでいる。太陽光発電所では「たけとよ」「いいだ」(長野県飯田市)に続いて2015年1月には同社で3番目となる「メガソーラーしみず」(静岡市)が営業運転を開始した。こうした発電所の開発とともに、国の固定価格買取制度などに基づき太陽光発電による電力の購入も推進。同社の太陽光発電の設備量は2014年度末時点で開発量が17.4万kW。購入対象量は366.8万kWとなっている。

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