2015年も再生可能エネルギーが伸びる、太陽光に続いてバイオマスが急増法制度・規制

電力会社による接続保留や出力制御など、再生可能エネルギーの拡大を阻むような動きが続いているにもかかわらず、全国各地の導入意欲は少しも衰えていない。2015年1月に新たに運転を開始した発電設備の規模は90万kWに達して、固定価格買取制度が始まってから最大の導入量を記録した。

» 2015年05月20日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 固定価格買取制度による発電設備の規模が合計で1671万kW(キロワット)に拡大した(図1)。資源エネルギー庁が集計した最新のデータによると、2015年1月に90万kWの発電設備が運転を開始して、月間で最大の伸びになった。太陽光が住宅用・非住宅用を合わせて85万kWと引き続き多いものの、風力が3万kW、バイオマスが2万kWと着実に増えている。

図1 固定価格買取制度による再生可能エネルギーの導入・買取・認定状況(2015年1月末)。各欄の下段の数字は前月比。バイオマスは燃料に占めるバイオマスの比率を反映。出典:資源エネルギー庁

 風力では秋田県の男鹿市で発電能力2.9万kWの「男鹿風力発電所」が運転を開始して導入量を押し上げた。バイオマスでは高知県の高知市で間伐材などの「未利用木質」を燃料に使う6500kWの発電所が稼働したほか、滋賀県の米原市で「建築廃材」を利用する3550kW、青森県の青森市で「一般廃棄物」を利用する7650kW(うちバイオマス相当分4284kW)の発電所が運転を開始している。

 一方で1月に入って新たに認定を受けた発電設備の増加も目立つ。1カ月間に106万kWの発電設備が認定を受けて、前月の79万kWを大きく上回った。この時期は九州電力をはじめ4地域の電力会社が発電設備の接続保留を続けていたが、買取制度の認定量には影響しなかったようだ。

 特にバイオマスの伸びが著しく、24万kWも増えた。そのうち22万kWを「一般木質バイオマス・農作物残さ」を燃料に使う発電設備が占めている。徳島県で6万kW、大分県で5万kWが認定を受けたほか、青森・茨城・兵庫の3県でも2万kW以上が1月中に認定された。対象になる燃料は木材を加工した後の端材や東南アジアから輸入するパームヤシ殻、もみ殻や稲わらなどである(図2)。

図2 バイオマス発電の種類と価格・期間。出典:資源エネルギー庁

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