太陽光発電の伸びが回復、2月の認定容量は291万kW法制度・規制

固定価格買取制度のあり方をめぐって議論が巻き起こる中で、再生可能エネルギーを導入する動きは変わらずに進んでいる。2015年2月に買取制度の認定を受けた設備は361万kWに達して、2014年度に入って最大の伸びを見せた。特に非住宅用の太陽光が青森・茨城・栃木の3県で増加した。

» 2015年06月22日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 太陽光発電は年度ごとに買取価格が下がるため、年度末の2月と3月に認定を受ける設備が急増する。資源エネルギー庁が新たに集計した2015年2月の状況を見ると、太陽光発電の認定設備が1月と比べて大幅に増加している。特に非住宅用は280万kW(キロワット)も増えて、1月の66万kWから4倍以上に拡大した。

 再生可能エネルギー全体では361万kWの増加で、風力が42万kW、中小水力も19万kWと大きく伸びている(図1)。実際に運転を開始した発電設備も着実に増えて、1月に続く過去最高の90万kWにのぼった。そのうち非住宅用の太陽光が74万kWを占めている。

図1 固定価格買取制度による再生可能エネルギーの導入・買取・認定状況(2015年2月末)。各欄の下段の数字は前月比。バイオマスは燃料に占めるバイオマスの比率を反映。出典:資源エネルギー庁

 2月に認定設備が急増した非住宅用の太陽光では、地域ごとの差が見られる。規模が最も拡大したのは青森県で47万kWも増えた。次いで茨城県が25万kW、栃木県が24万kWと多い。この3県を筆頭に、東北・関東・中部・中国の4地域で伸びが目立つ。

 一方で北海道と九州では認定設備が大幅に減っている。北海道ではわずか0.4万kWしかなく、九州も7県の合計で11万kWにとどまった。九州を皮切りに北海道・東北・四国の4地域で太陽光発電設備の接続保留を実施した影響が出ている。

 今後も北海道や九州では太陽光の伸びが回復することは期待しにくい。それよりも北海道では風力が伸びていて、2月には3万kWも増加した。九州では中小水力の取り組みが活発で、特に熊本・大分・宮崎の3県で認定設備が拡大している。九州7県を合計すると2月だけで中小水力が4万kW以上も増えた。

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