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» 2015年08月21日 09時00分 UPDATE

電力供給サービス:福島の希望となるか、復興支援も狙う最先端石炭ガス化複合発電所が具体化

東京電力など5社は福島県の復興と世界最新鋭の石炭火力発電所プロジェクトの実現に向け、プロジェクトの推進に関する基本合意書を締結した。

[長町基,スマートジャパン]

 今回のプロジェクトを推進するのは、東京電力、三菱重工業、三菱商事、三菱電機、常磐共同火力の5社。福島県の経済再生を支援する産業基盤や雇用機会を創出することを目指すとともに、次世代のクリーンコールテクノロジーである石炭ガス化複合発電(IGCC)技術により、この分野で世界をけん引していくことにも取り組む。今回のプロジェクトは東京電力により計画されてきたが(関連記事)、実際に事業者が決定したことにより実現に一歩進んだことになる。

 同プロジェクトは、東京電力広野火力発電所(福島県広野町)と常磐共同火力勿来(なこそ)発電所(同県いわき市)にそれぞれ約54万キロワット(kW)のIGCCプラントを1基ずつ建設・運用する計画だ(図1)。

photo 図1 東京電力広野火力発電所と常磐共同火力勿来発電所の位置(クリックで拡大)出典:三菱重工

 IGCCは石炭をガス化し、コンバインドサイクル(ガスタービンと蒸気タービンの組み合わせ)で発電する方式で、同規模の従来型石炭発電方式よりも熱効率が約48%(送電端熱効率、低位発熱量基準)と高効率であり、約15%の二酸化炭素排出量を削減する(図2)。

photo 図2 石炭ガス化複合発電(IGCC)技術の仕組み(クリックで拡大)出典:東京電力

 5社は「これまで発電事業などで培ってきた経験・ノウハウを活用し、建設工事・資材発注および運用後の定期点検などによる産業基盤の創出などを通じて一日も早い福島復興の実現に貢献していく」としている。

 同プロジェクトでは建設最盛期には両地点を合わせて1日当たり最大2000人規模の雇用が期待され、環境アセスメント着手から運用を含めた数十年間で、福島県内に1基当たり総額800億円の経済波及効果があると試算。今後、5社は今回の基本合意に基づき「福島復興電源コンソーシアム」として、地元自治体、県、国などの支援をうけ、2020年代初頭には運転を開始する予定だ。

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