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» 2015年10月01日 07時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:水素を満たすホースの限界を超えろ、ブリヂストンが82MPaの高圧モデルを製品化 (1/2)

ブリヂストンは水素ステーションなどで燃料電池自動車(FCV)に水素を充填する際に使用される高耐圧の水素充填用ホースを開発、今後本格的に販売を開始する。

[長町基,スマートジャパン]

 FCVの市場投入に合わせて商用の水素ステーションの設置が進んでいる。そこに設けられた水素用ディスペンサーではホースを使用し水素をFCVに充填(じゅうてん)するが、この時の水素は高圧に圧縮されるため、使用するホースには高耐圧性が求められる。現在、国内の水素ステーションにおける水素の充填時の最高高圧は最大70MPa(メガパスカル)と定められている。しかし、充填圧力を高めることで水素の充填量を増やすことができ、航続距離の延長や充填時間の短縮が可能となる。そのため、この最高圧力を82MPaまで高めることが求められていた。

 ブリヂストンでは今回、同社の持つ超高圧ホースの技術をベースに水素充填ホースを開発した。今後、市場の急拡大が予想される中で半分以上のシェア獲得を目指すという(図1)。

photo 図1 新開発したホースの水素ステーションでの使用例 出典:ブリヂストン

高圧ホース開発に長年の歴史を蓄積

 ブリヂストンのホース事業は1937年にゴムホース(繊維構造)の販売を開始して以来、1968年にワイヤーブレード構造の高圧ホース、1968年にワイヤースパイラル構造の高圧ホース、1985年には超高圧樹脂ホース、1989年にポリブデン樹脂配管(住宅用途)などを販売開始するなど幅広い用途に対応した製品を開発してきた。その中には洗浄、切断、塗装剥離、はつりやウォータージェット向けなどの70〜250MPa前後の超高圧に耐えられるホースもラインアップしている。水素充填にはガソリン給油とは比較にならない耐圧仕様が必要なため、今回の製品はこれらの超高圧技術ベースに開発し、さらに安全性と経済性を追求した。

 新製品は設計上の重要要件として、現状の規定である70MPaから、将来の動向を見据えて82MPaの圧力にも耐えられるようにした。さらに水素脆化(素材に吸収された水素により素材の強度が低下すること)の影響がないことや、水素ガス透過の抑制や充填操作性の確保などをポイントとした。

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