山林が84%の町にバイオマス発電所、再生可能エネルギーを20%に高める自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2015年10月21日 07時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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町の施設でも木質バイオマスを利用

 最上町では発電所に隣接して、燃料用の木質ペレットや木質チップの製造工場も建設する予定だ。山形県には人工林が広い範囲で蓄積していて、特に最上地域では国有林が多い(図3)。地域で間伐を実施して森林を健全な環境に維持する必要があり、間伐した後に大量に発生する用途のない木材の処分が課題になっている。

図3 山形県の人工林の面積(上)、間伐による林地残材(下)。出典:山形県最上総合支庁

 このため最上町は震災の前から間伐材を活用して再生可能エネルギーの地産地消に取り組んできた。町が運営する「ウエルネスプラザ」には木質バイオマスを燃料に利用できるボイラー3基を導入して、施設全体の冷暖房と温水を再生可能エネルギーで供給している(図4)。新たにバイオマス発電所を加えて、地域全体の雇用と観光にもつながるバイオマス産業都市を目指す。

図4 「最上町ウエルネスプラザ」のバイオマスエネルギー利用。出典:最上町役場

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