蛍光灯は強制的に政府に禁止されるわけではない省エネ機器(1/2 ページ)

経済産業省は、「蛍光灯を2020年に禁止する」という一部報道に端を発した誤解に対し「政府が強制的に禁止するのではない」ということを表明。蛍光灯や白熱灯、LEDを含む照明全体で省エネ基準である省エネトップランナー制度を採用するということを明らかにした。

» 2015年12月10日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 照明の省エネ規制については2015年11月26日に開催された「未来投資に向けた官民対話」の中で話題にのぼった。

 安倍首相:「住宅の省エネを促進してまいります。2016年度にトップランナー制度を白熱灯へ適用します。2020年までに、ハウスメーカーなどの新築戸建の過半数をネット・ゼロ・エネルギー・ハウス化するとともに、省エネ・リフォームを倍増させてまいります」

 上に示したように、安倍首相の談話では、照明関係では白熱灯に言及しただけだった(関連記事)が、一部報道で「2020年に蛍光灯が禁止」と報道されたことにより、騒ぎが巻き起こっていた。

「蛍光灯は禁止?」の誤解

 これらを受け経済産業省では2015年12月8日、「『蛍光灯は禁止?』の誤解」と題したWebサイトを公開した(図1)。

photo 図1 公開された「『蛍光灯は禁止?』の誤解」のWebサイト(クリックでWebサイトへ)出典:経済産業省

 同Webサイトでは、あらためて「政府が強制的に蛍光灯を禁止するわけではない」ことを説明。ただ一方で照明の省エネルギ―化を進めていくために、「省エネトップランナー制度」の対象としていく方針を示した。

省エネトップランナー制度とは

 省エネトップランナー制度とは、自動車の燃費基準や電気・ガス石油機器などの省エネルギー基準を、それぞれの機器にいて最も優れている機器の性能(トップランナー基準)以上にするというものだ。同一製品内において最も優れている製品をターゲットに一定期間内でのメーカー間での競争を促し、市場内の全商品の省エネ化を図るという狙いの制度である。市場に流通している製品の大半が基準を達成した時点で次のトップランナー基準を決め、継続的に省エネ化を進めていくことができることが特徴だ(図2)。

photo 図2 トップランナー制度の仕組み 出典:省エネルギ―センター

 省エネトップランナー制度の対象製品は2014年11月時点で、31品目が特定機器とされており、電球形LEDランプについては既に対象製品となっている。この枠組みに新たに白熱灯や蛍光灯も組み込もうというのだ。

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