ハイブリッドソーラーシステムで市内観光を便利に、岡山市が駐車場に工夫蓄電・発電機器

岡山市が実施した貯金事務センター跡地活用事業者公募で選定された三井不動産リアルティ中国は、同跡地に回遊性向上・環境配慮・非常時対応を追求した駐車場「三井のリパーク 岡山市役所前」をこのほど開設した。

» 2016年01月06日 15時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 三井不動産リアルティ中国(広島市中区)が開設した駐車場「三井のリパーク 岡山市役所前」は、岡山市の政策促進に寄与するため、「回遊性の向上」「大規模災害への対応」について積極的に取り組むとともに「環境への配慮」を追求し、CO2削減に取り組む(図1)。

photo 図1 「三井のリパーク 岡山市役所前」の開設地 出典:三井不動産リアルティ中国

 回遊性向上策としては「ももちゃり(岡山市のレンタルサイクル)」、路線バスの利用者に対する駐車料金割引サービスの導入に加え、市内観光促進を図るためデジタルサイネージ・無料Wi-Fi付観光看板を駐車場内に設置した(図2)。

photo 図2 岡山市の運営するコミュニティサイクル「ももちゃり」 出典:岡山市

 災害に対応するため停電時に非常用電源として利用できる「ハイブリッドソーラーシステム」「ソーラーLED街路灯」を岡山県で初めて設置するとともに、「EV用充電スタンド(200V用4基)」設置や市内中心部のマイカー利用の抑制も考慮し「カーシェアリングサービス(2台)」を導入するなどCO2削減に取り組んでいる。

 ハイブリッドソーラーシステムは日照時にソーラーパネルによる発電を行い、蓄電された電力を夜間の場内照明に利用する。また、万一の大規模災害時には非常用電源としての活用も想定している。ソーラーLED街路灯は、日照時にソ−ラーパネルによる発電を行い、蓄電された電力で夜間にLED照明を点灯させる。加えて、防水コンセント2口を設置し、非常用電源としてラジオやスマートフォン・携帯電話などを充電することが可能だ。2台に防災グッズを格納し、残り2台にはAEDを設置する(図3)。

photo 図3 左図がソーラーハイブリッドシステム、右図が電気自動車の充電器 出典:三井不動産リアルティ中国

 さらに、運転に不慣れな人でも安心して駐車できるよう駐車場内の車路を6メートル以上とし、適切な照明器具・防犯カメラの設置(14台)により安心・安全に配慮した駐車場を実現した。このほか、災害対応型自動販売機、プリペイドカード自動販売機、プリペイドカード、ICOCA決済システムなども設置している。

 駐車場は274台(内訳=時間貸し222台、月極50台、カーシェア2台)収容可能。利用料金は8時〜20時が30分当たり100円。20時〜8時が60分当たり100円など。電気自動車充電器の利用は無料。

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