毎月の使用量に関係なく電力会社より安い、ケーブルテレビ最大手が15都道府県で電気料金の新プラン検証シリーズ(6)(1/2 ページ)

ガス会社をはじめ各社の料金プランは電力の使用量が多い家庭でなければ安くならないケースが大半だ。ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコムは使用量が少ない場合でも電力会社の料金より安くなるプランを発表した。対象地域は北海道・東北・関東・関西・中国・九州の15都道府県と広い。

» 2016年01月12日 07時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

連載:「電気料金の新プラン検証シリーズ

 ジュピターテレコムは「J:COM電力 家庭用コース」の先行申し込みを1月6日からウェブサイトで受付開始した。全国15都道府県の店舗でも14日から申し込みが可能になる。このプランの特徴は毎月の電力の使用量に関係なく料金を割り引く点にある。

 各地域の電力会社が家庭向けに提供している標準的な料金プランは、月間の使用量に応じて3段階の単価を設定している。使用量が多くなると単価も上がるが、「J:COM電力 家庭用コース」は3段階すべての単価を安くする。第1段階は0.5%、第2段階は1%で、第3段階になると一気に10%まで割引率が上昇する(図1)。

図1 「J:COM電力 家庭用コース」の割引プラン。出典:ジュピターテレコム

 電力の使用量が少ない場合には割引率は小さいものの、現在の電気料金と比べて必ず安くなるプランは利用者にとってメリットがわかりやすい。利用できる電力の大きさも10〜60A(アンペア)すべてに対応する(関西は制限なし)。ただしケーブルテレビかインターネット通信サービスのいずれかを利用することが条件になる。

図2 サービス対象エリア。出典:ジュピターテレコム

 対象エリアはジュピターテレコムがケーブルテレビなどのサービスを提供している全国の15都道府県をカバーする(図2)。北海道・東北・東京・関西・中国・九州を含む6地域の電力会社に対応した割安な料金プランを提供していく予定だ。ジュピターテレコムのネットワークが敷設済みのエリアに限られるが、対象になる家庭は合計で1955万世帯にのぼる。

 最大の市場である東京電力の管内では1都5県がサービスエリアに入る。ジュピターテレコムに加入する一戸建ての家庭の平均では月間の電力使用量が485kWh(キロワット時)で、東京電力の現在の料金は約1万2600円(40Aの場合、税別)になる。これに対して月額で約570円、年間では約6800円の割引額で電力を供給する。

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