米LEDベンチャーの照明をアイリスオーヤマが販売、ノーベル賞中村氏らが創業LED照明

生活用品製造卸のアイリスオーヤマは新たに、米国SORAA社のLEDランプの取り扱いを決めた。同社製品を照明関連の展示会「ライティングジャパン」で披露している。

» 2016年01月15日 11時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 アイリスオーヤマが製品の取り扱いを決めた、米国のLEDベンチャーであるSORAA(米国カリフォルニア州フリーモント)はノーベル物理学賞受賞者の中村修二氏らが創業した企業である。2015年4月に日本法人なども設立している(関連記事)。

 SORAAのLEDランプは紫色の光を使用した「Gan on Gan LED」と3色の蛍光体により、赤色(R9)およびシアン色のスペクトルにすき間がなく、フルスペクトルを再現することができることが特徴だ。フルスペクトルの光を実現することにより、本来の自然に近い色彩表現を可能にし、衣料品、化粧品、紙、家電製品などの微妙な白さの違いを区別することが可能だという(図1)。このほか点光源の「Gan on Gan LED」を使用したランプとマグネットを利用した簡易アタッチメントを組み合わせることにより、光色や光の広がり、形を変えることもできるという。

photo 図1 SORAAのスペクトル(クリックで拡大)出典:アイリスオーヤマ

 アイリスオーヤマは、2009年からLED 照明市場に参入し、商品開発力と広範囲な販売ネットワークを生かし国内シェアを高めてきた。今回新たにSORAAのLEDランプを2016年3月から販売することを決めた。SORAA製品を自社ラインアップに加えることで、アパレルショップやホテル、カーディーラーなどの専門店への提案の幅を広げていく。さらに照明事業を通じてコスト削減だけでなく、日本の快適空間の構築につながる省エネルギー社会の実現に貢献していく考えだ。

中村氏もブースでSORAA製品を紹介

photo SORAA社の共同創設者でもある中村修二氏(カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)出典:SORAA

 照明関連展示会である「ライティングフェア」では、SORAA製LEDランプをアイリスオーヤマブースで展示。展示会初日である2016年1月13日には中村修二氏もブースを訪問し、製品説明などを行った。

 SORAAのLED照明は、これまで使用されてきた他の光源とは違い、人体に有害な紫外線の波長の放射がないとされており、中村氏は「身体にやさしい光を提供することができるようになる」と強調した。

photo 図2 アイリスオーヤマブースで披露されたSORAA製品の色彩表現力

 2016年3月から発売するランプは、MR16、GU10、PAR20、PAR30、PAR38の5製品。このうちMR16の特徴についてSORAA社では「世界で最も効率的なLEDを利用し、大きさもハロゲンと同等で調光可能、そして密閉器具にも使用でき、効率の悪いハロゲンランプの代替には最適かつ理想的な製品」などと紹介している。

 アイリスオーヤマでは今後、LED照明の高効率という特徴に加えて、より専門店業態への販路を拡大するために、「光の質」の付加価値を併せ持つ製品展開を図る方針だという。

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