自由化時代に必須のスマートメーター活用、英国企業の解析技術を独占展開電力供給サービス

電力料金の比較サイトを運営するエネチェンジは、英国ケンブリッジ大学発の産学連携ベンチャーSMAP Energy社のスマートメーターデータ解析技術について、日本独占利用権を取得した。スマートメーターによるビッグデータを活用した電力事業者向けのデータコンサルティング事業を強化する。

» 2016年02月17日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 エネチェンジが解析技術の日本独占利用権を取得したSMAP Energy社は、ケンブリッジ大学とケンブリッジ・エナジー・データ・ラボ社が2016年2月に共同設立した産学連携ベンチャー。同大学におけるスマートメーターのデータ解析技術に関する研究成果の実用化を目的に設立された。

 同社は電力事業者がスマートメーターから取得したデータの解析サービスである「SMAP(Smart Meter Analytics Platform)」を展開する。SMAPの中核技術となるのは、過去の電力使用量を統計分析し、時間帯毎の電力使用量確率を推定する独自開発のアルゴリズムだ。現在SMAP Energy社ではこの独自アルゴリズムなどについて複数の特許を出願中で、欧州の電力会社と技術検証を進めているという。

 この推定データを活用することで、電力会社の発電コストと比較して利益率の高い顧客を抽出、時間帯別料金などの従来と異なる料金メニューにユーザーが移行した場合の電力使用量の変動予測、異常値検知アルゴリズムによる漏電監視・見守りサービスなどさまざまなサービスへの応用が可能になるという(図1)。SMAP Energy社ではこの独自アルゴリズムなどについて複数の特許を出願中で、欧州の電力会社と技術検証を進めている。

図1 SMAPのイメージ 出典:エネチェンジ

 2016年4月から始まる電力の小売全面自由化に伴い、日本国内でもスマートメーターの取り付けが進んでいる。エネチェンジ社はこの解析技術の日本事業展開の利用権を取得することで、電力事業者向けのコンサルティングサービスを強化し、電力のビッグデータ活用を推進していく計画だ。

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