鉄道の線路に太陽光パネルを設置、使わないレールの上でメガソーラーが稼働自然エネルギー(1/2 ページ)

北東北で再生可能エネルギーを拡大中のJR東日本が、秋田県内で3カ所目になるメガソーラーの運転を開始した。以前には列車を入れ替えるための操車場があった場所で、何本も残っている線路を利用して太陽光パネルを設置した。鉄道の沿線から年間に470世帯分の電力を供給する。

» 2016年03月28日 09時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 白い雪の残る線路の上で、太陽光を浴びた黒いパネルが輝いている(図1)。JR東日本の秋田支社が3月24日に運転を開始した「秋田泉太陽電池発電所」の光景だ。全国でも珍しい鉄道の線路を利用したメガソーラーである。

図1 「秋田泉太陽電池発電所」のレール上に設置した太陽光パネル。出典:JR東日本

 線路のレールと垂直方向に2本の柱を並行に置いて、その上に支柱を立てて太陽光パネルを設置した。線路は平らな場所で直線状に延びているため、通常のメガソーラーで必要になる土地を造成する手間が省ける。広大な土地と合わせて、鉄道会社だから得られるメリットの1つだ。

 発電所を建設した場所には、かつて操車場があった。列車を入れ替えるために数多くの線路が残っていて、それを有効に活用した。現在は日本海側を走る奥羽本線の上り線と下り線にはさまれている(図2)。面積は2万5000平方メートルある。

図2 太陽光パネルの設置場所(画像をクリックすると拡大)。出典:JR東日本

 発電能力は1.3MW(メガワット)で、年間の発電量は170万kWh(キロワット時)を想定している。一般家庭の電力使用量(年間3600kWh)に換算して470世帯分に相当する。JR東日本は同じ奥羽本線の沿線で2カ所のメガソーラーを運転中だ。秋田県内だけで合計3カ所に広がった(図3)。

図3 「秋田泉太陽電池発電所」の位置と沿線のメガソーラー。出典:JR東日本
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