IoTで消費電力を「見える化」、複数拠点の電力コスト削減に効く省エネ機器

ITホールディングスグループのTISは、IoT(Internet of Things)技術を活用し、各種機器の消費電力データを収集して消費電力の見える化を実現する「消費電力可視化サービス」の提供を開始する。

» 2016年04月08日 15時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 TISが提供する「消費電力可視化サービス」は、分電盤の配線ごとにクリップセンサーを取り付け、機器ごとの消費電力データを収集する。ユーザーはそのデータを専用のWebサイトから閲覧できるというサービスだ(図1)。

図1 「消費電力可視化サービス」のイメージ 出典:TIS

 配線ごとにセンサーを取り付けられるため、個々の機器の電力使用量を計測でき、消費する電力をリアルタイムに把握することが可能だ。これらのデータを分析することで、電力消費の抑制に加え、各機器の利用時間帯やオペレーション状況なども把握でき、業務改善にもつながる。サービスのIT基盤にはAmazonのAWSを利用する。

 同サービスでは、サービス導入コンサルティングからセンサーの設定、データ分析、そしてデータ分析から得られた結果をもとにした業務改善提案などを利用者の要望に合わせて提供する計画だ。

 例えば飲食業など多店舗展開する企業の施設管理では、各拠点の消費電力を測定し、機器ごとの電気使用量を分析することで、電気料金の削減やオペレーションの改善に活用することが可能になる。多くの拠点を有する企業ほど、多数の分電盤が設置されているため、同サービスをより有効に活用できる。

 TISでは同サービスを飲食業や物流業など多店舗展開する業態の施設管理ソリューションとして展開し、2019年までに2万拠点への導入を目指す。さらに今後は、取得したデータの分析やBIツール、ERPとの連携なども対応していく。

 また、TISが小売電気事業者向けに提供している顧客・販売パートナー向け「エネLink Portal+」では、スマートメーターを活用した電力の見える化サービスを提供している。「消費電力可視化サービス」はスマートメーターより詳細な機器ごとの計測が可能なサービスであり、今後はその特徴を活かし、省エネやグリーン電力など、“エコ”を事業の付加価値として展開する小売電気事業者などにも「エネLink Portal+」のオプションメニューとして展開していく予定だ。

 初期費用は個別見積もり(導入支援、コンサルティングサービスなど)で、月額費用は1万3000円(100拠点以上導入した場合の1サービスあたりの月額費用)。なお月額費用にはセンサー、モバイルルーター、専用Webサイト、月次レポートが含まれている。

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