太陽光発電は終わらない、JPEAが示す3つの成長エンジン太陽光(1/3 ページ)

太陽光発電協会は、太陽光発電市場の現状と今後についての考えを示した。苦戦が目立つ国内太陽光発電設備市場だが、同協会では「3つの成長エンジンで安定的に成長する」という見通しだ。

» 2016年06月22日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 太陽光発電協会は2016年6月21日、同年6月29日から開催予定の「PVJapan2016」の概要を発表するとともに、太陽光発電市場の現状と今後についての考えを示した。

 世界の太陽光発電市場は順調に成長しており、2015年には50GWを突破している。最大の導入国は中国で、次いでドイツ、日本は太陽光発電市場において3番目の大国となっている(図1、図2)。

photophoto (左)は世界の暦年の太陽光発電導入量推移(図1)、(右)は太陽電池の国別導入量(クリックで拡大)出典:太陽光発電協会

 こうした世界的な太陽光発電普及の一方で、日本市場では事業運営面で転機に立たされているといえる。順調に成長する住宅用太陽光発電市場に対し、国内の太陽電池国内出荷量は2015年度は前年割れとなったのだ(図3)。

photo 図3 日本の太陽電池国内出荷量推移(クリックで拡大)出典:太陽光発電協会

 太陽光発電協会の事務局長である亀田正明氏は「2012年の固定価格買取制度(FIT)開始以降、太陽光発電市場は空前の成長を見せた。しかし、2014年秋に出力制御が行われた点や、国民負担の軽減へ注目が集まった点、FITの買取価格が徐々に低減してきた点などが合わさり、2015年度は前年比で約2割減少することになった。しかし、この数値もFIT開始前と比べれば2倍近い水準であり、まだまだ高水準を維持しているといえる」と説明する。

 ただ、FIT前と比べて好調を維持しているとはいえ、単純に太陽光発電モジュールを売るだけのビジネスモデルでは厳しくなってきているのは事実である。こうした状況の中でも太陽光発電ビジネスが成長し続けるためには「3つの成長エンジンがある」と亀田氏は述べる。

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