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» 2016年07月21日 13時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:“湿度の揺らぎ”を動力源とする環境発電技術、半永久駆動が可能に (2/2)

[三島一孝,スマートジャパン]
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熱や光にも反応しさまざまな“環境の揺らぎ”に対応

 薄膜の水分の吸着量は熱や光にも影響を受けるため、環境におけるさまざまな揺らぎを薄膜の運動エネルギーに変換することが可能である。また、この薄膜は環境の変化に高速で応答することが可能なため、薄膜に強い光を照射すると薄膜が高速で屈伸し、ジャンプする(図3)(図4)。

photo 図3 光照射に応答した薄膜アクチュエーターの高速屈伸運動。伸びていた薄膜が、光照射後50ミリ秒で丸まり、その直後に光照射を止めると、再び薄膜は伸びた 出典:理研
photo 図4 光照射に応答した薄膜アクチュエーターのジャンプ 出典:理研

 この薄膜は、グラフィティック・カーボンナイトライドと呼ばれる2次元状高分子を用いることで実現した。研究グループが独自に開発した手法により、原料として安価なグアニジン炭酸塩を用い、加熱するだけという非常にシンプルな手法で作製することが可能であるという(図5)。

photo 図5 薄膜アクチュエーターの合成手法。試験管にガラスでできたターゲット基板、原料であるグアニジン炭酸塩を入れて加熱するだけで、薄膜を形成できる 出典:理研

 研究グループは、今回の成果により、これまでエネルギーとして利用することが困難であった“環境の揺らぎ”を、運動エネルギーとして利用できることを実証した。今後、実際のデバイスなどで利用するためには、薄膜の運動エネルギーを効率よく電気エネルギーに変換する技術を実現する必要がある。さらに人工筋肉などの分野への応用も期待されている。

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