6万1000kWのバイオマス発電設備を建設、パルプ廃液で発電しFITで売電:自然エネルギー
大王製紙はバイオマス発電設備を増強し、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を利用して電力販売を行う。
紙の生成工程では多くの木質系の廃棄物が生まれる。これらの多くはバイオマス発電に利用可能なものである。大王製紙では以前から、同社の三島工場(愛媛県四国中央市)でクラフトパルプ製造工程で発生するパルプ廃液(黒液)を黒液回収ボイラーで燃焼させ、エネルギー回収するバイオマス発電を行っていたが、新たに新設の設備を建設することを決定した(図1)。
図1 バイオマスボイラーの外観図 出典:大王製紙
新たに建設するのは、従来発電を行ってきた大王製紙三島工場の敷地内で最新型の黒液回収バイオマスボイラーを新設する。新たに発電した電力は固定価格買取制度(FIT)を利用して売電することが特徴である。送電系統への接続手続きについては現在四国電力と協議中だという。
新設する黒液回収発電設備の発電脳能力は6万1000kWで、従来と比べてエネルギー効率が約5%改善する効率的な設備だという。これにより年間で2万5000トンのCO2削減に貢献する(図2)。
図2 大王製紙の化石燃料とバイオマスエネルギー燃料の構成比率 出典:大王製紙
総工費は210億円で、売上高は70億円を見込む。事業の開始時期は2019年を計画する。
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全国各地でバイオマス発電の導入量が増えている。特に未利用の森林資源を生かせる木質バイオマス発電が活発だ。限りある地域の資源を長期的に調達できる体制の構築が急がれる。林業と連携した燃料供給システムの確立や、熱を含めたエネルギー利用の高効率化も求められる。
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