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» 2016年09月01日 09時00分 UPDATE

自然派新電力が開くエネルギーの未来(1):再生可能エネルギーで差別化する新電力、価格を超えた価値をアピール (2/3)

[廣町公則,スマートジャパン]

再エネベンチャー系

 再エネ発電事業や発電設備の販売などからスタートした新興企業が、電力小売ビジネスに参入してきたケース。これまでに自社が手掛けた太陽光発電設備や、個別契約を結んだ再エネ発電所などから電力の多くを調達する。その1社であるLooop(東京都文京区)は、「電気も自然派でいこう!」をキャッチフレーズに躍進し、年間目標である申込件数2万件を2016年7月26日までに達成したことを発表。自然派新電力に確かなニーズがあることを印象づけた。

地域新電力系

 地域に根差してエネルギー関連事業を手掛けてきた企業が、電力供給も行うというケース。その地域の再エネ発電所から電力を調達することにこだわり、電気の販売先としても同地域を優先する。目指しているのは、エネルギーの地産地消だ。地元のプロサッカーチーム「水戸ホーリーホック」から出資を得ている水戸電力(茨城県水戸市)のように、地域性を前面に出して、地元重視のサービス展開を図っているところが多い。

自治体系

 自治体が出資して電力小売会社を立ち上げ、地元の公共施設・企業・住民を対象に電気を販売するケース。自治体主導による、エネルギーの地産地消モデルである。県が主体のやまがた新電力(山形県山形市)、市が主体の会社・みやまスマートエネルギー(福岡県みやま市)、町主体による中之条パワー(群馬県中之条町)など、多様な自治体新電力が全国で産声を上げている。地元電源の調達だけではなく、水道料金とのセット割など地方自治体ならではのサービスも期待されるところだ。

生協系

 全国には約500の生活協同組合(生協)があり、それぞれに環境意識の高い膨大な数の組合員(消費者)を抱えている。そうした組合員家庭を対象に電力を供給すべく、生協による小売電気事業参入の動きが続いている。東日本大震災以降、多くの生協が脱原発を掲げ、自家発電への取組みを進めてきた。電力小売もその延長線上にあり、所有する発電設備からの電力調達を軸に、再エネ比率の高い電気であることをアピールし、着実な支持を集めている。

大手新電力系

 大手の新電力会社の中にも、クリーンな電気をウリにする事業者は存在する。例えば、電気と通信のセット割をいち早くスタートしたソフトバンクグループでは、東京電力の電気100%のプランに加えて、再エネ由来の電源比率が高い「FITでんきプラン(再生可能エネルギー)」も用意する。同グループのSBエナジー(東京都港区)が発電した電力をはじめさまざまな再エネを活用した電力を、同グループのSBパワー(東京都港区)が供給する。

その他(太陽光発電とのセット)

 自宅に太陽光発電設備を設置することなどを条件に電力供給を行う、新しい事業モデルで注目を集めている会社もある。日本エコシステム(東京都港区)は、ユーザーの屋根に無料で太陽光発電設備を設置し、そこで発電した電気をそのままユーザー宅に供給する。契約期間中、発電設備は同社所有となるが、使契約期間終了後は無償でユーザーに譲渡される。NTTスマイルエナジー(大阪府大阪市)は、同社の太陽光発電監視サービス「エコめがね」を設置する太陽発電設備オーナーを対象に、昼間FIT電気(太陽光)100%の電力を供給する。

図1 自然派新電力の一覧(クリックで拡大)

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