秋田県沿岸部に3基の大型風車、町の使用電力の7割を発電自然エネルギー

大林組は秋田県北西部の三種町に、出力約6MWの風力発電所を建設する。2017年11月に運転を開始する予定で、年間発電量は三種町の世帯数の約7割に相当する5000世帯分を見込んでいる。

» 2016年09月26日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 大林組が秋田県北西部の三種町(みたねちょう)で計画している風力発電所の建設が、2016年9月上旬から始まった。完成は2017年7月を予定しており、同年11月をめどに営業運転を開始する計画だ。発電所の運営は大林組のグループ会社である大林ウインドパワー三種が行う。

 建設する発電所の名称は「三種浜田風力発電所」。日本海に面する海岸沿いの土地を活用して、出力1990kW(キロワット)の風車を3基設置する総出力5970kWの発電所だ(図1)。設置する風車は高さ125メートルと大型のものを採用している。大林組ではこの風車を、大型クレーンを使わずに組み立てる新工法を採用する。

図1 「三種浜田風力発電所」の完成イメージ 出典:大林組

 発電所の建設地である三種町は、2006年に3つの町が合併してできた町である。2016年8月末時点の世帯数は6950世帯で、約1万7500人が暮らしている。三種浜田風力発電所は営業運転を開始すると、年間約5000世帯分の電力を発電する見込みだ。完成すれば三種町の年間使用電力量の約7割相当の電力を自然エネルギーで発電できる計算になる。

 大林組では新事業領域の1つとして、太陽光や風力などの再生可能エネルギー事業の拡大を推進している。同じ秋田県では現在、秋田港と能代港で、共同事業者とともに着床式洋上風力発電の実現に向けた可能性調査を実施中だ(図2)。この事業では2カ所の合計で、総出力14.5万kW(145MW)を予定している。風況の良い秋田県沿岸部は、風力発電事業の一大集積地になりつつある。

図2 調査中の着床式洋上風力発電事業の実施計画地 出典:大林組

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