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» 2016年11月09日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:自立できるバイオマスエネルギーへ、全国6カ所で事業性を評価 (1/2)

地域に適したバイオマスエネルギーの利用拡大に向けて、資源の調達からエネルギーに変換して利用するまでのシステムを事業として成り立たせる点が大きな課題だ。政府は7年間に100億円超の予算を投じて全国各地のシステム構築を支援する。新たに6つのテーマで事業性の評価を開始する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 国立研究開発法人のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が2014〜2020年度の7年計画で「バイオマスエネルギーの地域自立システム化実証事業」に取り組んでいる。木質系をはじめ4種類のバイオマス資源を対象に、地域の特性に合ったエネルギー供給システムの構築を支援する目的だ(図1)。7年間に総額で107億5000万円を投入する大規模なプロジェクトである。

図1 バイオマスエネルギー地域自立システムの実証事業。出典:NEDO

 このプロジェクトの一環で、バイオマスエネルギーの地域自立システムを構築する事業性の評価を全国各地で実施する。2016年度の対象に6つのテーマを選定して11月4日に発表した。北海道の家畜ふん尿を利用したバイオガスエネルギー事業や、福岡県の竹を改質して燃料化する事業など、地域とバイオマスの種類を分けて事業性を評価する(図2)。評価の結果はNEDOが毎年度に公表する技術指針や導入要件に反映する予定だ。

図2 事業性評価の対象テーマと実施主体・地域(2016年度)。出典:NEDO

 NEDOはバイオマスエネルギー事業を地域で自立させる要件を4つのフェーズにまとめている。バイオマス調達、エネルギー変換、エネルギー利用、地域の産業・社会との連携である(図3)。特にエネルギーの利用面では発電による電力の供給にとどまらず、発電に伴う廃熱などの副産物も利用できるようにして、エネルギー効率を高めることが事業性の向上につながる。

図3 地域自立システムの実現イメージ。出典:NEDO

 事業性の評価にあたっては、バイオマス調達とエネルギー利用の2つの側面から検討を進めていく。システムの入口にあたるバイオマスの調達量と、出口になるエネルギーの利用量を把握したうえで、その間をつなぐ発電設備などのエネルギー変換技術を検討する流れだ(図4)。さらに資金調達の方法や立地の検討を加えて、システム全体の事業性を評価する。

図4 地域自立システムの検討事項。出典:NEDO

 NEDOは2016年5月に策定した地域自立システムの導入要件の中で、バイオマス調達からシステム全体まで4つのフェーズごとに検討事項を整理した。たとえばエネルギー利用に関しては副生物の処理・貯蔵・販売を含めて14項目を挙げている(図5)。

図5 エネルギー利用に関する検討事項。出典:NEDO
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