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» 2016年11月28日 13時00分 UPDATE

自然エネルギー:太陽光・風力発電の接続可能量、原子力1基の廃炉を決めた四国だけ増加 (1/2)

全国7つの地域では送配電ネットワークに接続できる太陽光発電と風力発電に条件がつく。地域ごとの接続可能量を超えると、電力会社は発電設備の出力を無制限に制御できる。毎年度に実施する見直しの結果、四国の風力発電だけ7万kW増える。原子力を優先する国の方針が接続可能量を抑えている。

[石田雅也,スマートジャパン]

 東京・中部・関西を除く7地域では、天候によって出力が変動する太陽光・風力発電の運転に大きな制約がある。春の電力需要が最も少なくなる時期などに、電力会社の判断で発電設備の出力を抑制できる。昼間に太陽光発電が増加して需要を上回ると、電力の供給が不安定になる可能性があるためだ。

 出力制御の対象になる発電設備は2通りに分かれる。年間で制御する日数が最大30日までの発電設備と、30日を超えて無制限で制御できる発電設備がある。その基準になるのが地域ごとに決める「接続可能量」だ。接続可能量を超えてから新規開発の太陽光・風力発電設備の接続を電力会社に申請すると、無制限の出力制御の対象になってしまう。

 政府は11月25日に開催した委員会の会合で、電力会社7社の報告をもとに2016年度の接続可能量を算定した。その結果、太陽光発電の接続可能量は7地域すべて変更がなく、風力発電の接続可能量は四国だけ増えることが決まった(図1)。四国電力が原子力の「伊方発電所」の1号機の廃止を決定したことに伴う変更だ。

図1 太陽光・風力発電の接続可能量(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 太陽光発電と風力発電に取り組む事業者にとっては、各地域の接続可能量の増減は今後の開発計画に大きな影響を及ぼす。接続可能量を超えて無制限の出力制御の対象になってしまうと、年間の発電量が見通しにくく長期の収益性を判断できなくなるからだ。

 政府が算定する接続可能量は2015年度から2種類になった。1つは年度ごとに算定する「年度算定値」、もう1つは各年度の算定値をもとに出力制御の範囲を決める「30日等出力制御枠」である(図2)。このうち年度ごとの算定値は目安に過ぎない。電力会社が無制限の出力制御の対象を決める基準は30日等出力制御枠のほうだ。

図2 接続可能量の設定方法。FIT:固定価格買取。出典:資源エネルギー庁

 各地域で出力制御が必要になる典型的なケースは、昼間に太陽光発電の増加が見込まれるために、供給力が需要を上回ってしまう恐れが生じる場合である。政府の方針では、出力が安定している原子力・地熱・水力は状況にかかわらず運転を続けて、火力発電と揚水発電で供給力を調整する。それでも電力が余る可能性があれば、太陽光や風力の出力を制御するルールになっている(図3)。

図3 晴天の日の電力需給と出力制御の実施イメージ。出典:資源エネルギー庁
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