CO2フリーの水素でトラックが走る、北米364カ所にステーションも展開電気自動車(2/2 ページ)

» 2016年12月07日 09時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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100MW級の太陽光発電所で水素を製造

 Nikola MotorはCO2(二酸化炭素)フリーの水素を供給する事業も並行して実施する。発電能力が100MW(メガワット)クラスの太陽光発電所を複数の場所に建設して、発電所の敷地内で液化水素を製造する予定だ。

 並行して米国とカナダに合計364カ所の水素ステーションを展開する構想を進めていく。広い範囲をカバーする水素ステーションのネットワークによって、航続距離が1200キロメートルの燃料電池トラックは水素を切らさずに北米全域を走ることが可能になる。

 Nikola Motorは太陽光発電所で製造したCO2フリーの水素をNikola Oneを使ってステーションまで運ぶ。水素の製造から輸送を含めて、燃料電池トラックの走行に伴うCO2排出量をゼロに抑える試みだ(図4)。2018年から水素ステーションの建設に入る。大量のトラックが走行する北米地域のCO2排出量を削減する壮大な構想で、実現できれば世界に与えるインパクトも大きい。

図4 CO2フリー水素の製造・輸送・供給イメージ。出典:Nikola Motor

 Nikola MotorはCEO(最高経営責任者)のトレバー・ミルトン氏が設立したベンチャー企業だが、株式を上場していないため詳細は不明だ。社名のNikolaは19世紀の後半から20世紀の前半にかけて活躍した発明家のニコラ・テスラ(Nikola Tesla)氏から付けた。電気自動車メーカーのTesla Motorの社名と同じ由来だが、資本関係はないとみられる。

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