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» 2017年01月30日 15時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:太陽光発電所の事故・故障に備え、保守と損害保険が一体で復旧を早める

発電設備には事故や故障がつきもので、破損した部分を素早く修理して復旧させることが稼働率を高めるうえで重要だ。太陽光発電所を対象に、日常の監視から点検・修理までを含む保守と損害保険を一体にしたサービスが始まる。発電能力が500kWの設備で年間の利用料は約150万円になる。

[石田雅也,スマートジャパン]

 全国で300カ所以上の太陽光発電所を運用しているNTTファシリティーズが「損害保険付き太陽光発電所保守サービス」の販売を1月25日に開始した。太陽光発電所の保守と損害保険をパッケージにした新しいサービスで、発電能力が50〜2000kW(キロワット)の高圧の太陽光発電所を対象にする。

 このサービスに加入すると、NTTファシリティーズが事故の対応と保険金の請求を一括で請け負うため、発電事業者は事故や故障が発生した時の負担を軽減できる(図1)。NTTファシリティーズによると、保守サービスと損害保険の契約を個別に結ぶ場合と比べてコストを5〜10%削減できる見込みだ。サービスの利用料は500kWクラスの発電設備で年間に約150万円が標準である。

図1 「損害保険付き太陽光発電所保守サービス」の流れ(画像をクリックすると個別契約の場合と比較)。出典:NTTファシリティーズ
図2 契約・補償の実施体制。出典:NTTファシリティーズ

 NTTファシリティーズは保険代理店の「きらら保険サービス」を通じて太陽光発電所の損害保険に加入している(図2)。新たに提供するサービスの利用者は、NTTファシリティーズが契約している保険に加わって団体割引の適用を受ける仕組みだ。

 損害保険の補償の対象は太陽光パネルをはじめ、基礎や架台、パワーコンディショナーや受変電装置を含めて発電設備の全体をカバーする。電気的・機械的な事故のほか、火災・落雷などの災害、第三者による盗難や投石も補償の対象になる(図3)。

図3 補償の対象になる主な事象と機器。出典:NTTファシリティーズ

 全国各地に太陽光発電所が広がるにつれて、事故や故障が増えている。2015年9月には北関東を流れる鬼怒川(きぬがわ)が豪雨のために決壊して、川の近くで稼働していた太陽光発電設備の損壊事故が発生した(図4)。発電事業者は災害に備えて設備の安全性を強化するのと同時に、迅速に復旧できる体制を整えておくことが重要だ。故障した機器や装置の修理には多額の費用がかかる可能性があり、損害保険のニーズは高まっている。

図4 太陽光発電所の損壊事故例。台風被害(左)、河川決壊被害(右)。出典:資源エネルギー庁

 太陽光発電をはじめとする電力の固定価格買取制度を見直した「改正FIT法」が2017年4月1日に施行すると、発電事業者は設備の認定を申請する時に事業計画の提出を求められる。事業計画の中には運転を開始した後の保守点検や維持管理の体制も盛り込む必要がある。太陽光発電の買取価格が低下していく中で、設備の安定稼働が事業の採算性を左右する状況になってきた。

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