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» 2017年03月17日 13時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:水素で走る燃料電池船を広島県で実証、ガイドライン策定へ前進

国土交通省は2020年に向けて、水素で走る燃料電池船の実用化を目指している。そのガイドラインの策定に向けて、実際の燃料電池船を利用した実証実験を進めている。新たに3月21日から広島県尾道市でも実証がスタートする予定だ。塩害や波による揺れなどの影響を調査し、ガイドラインの策定に役立てる。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 国土交通省海事局では2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」開催時期をめどに、水素で動く燃料電池船の実現を目指し、ガイドラインの策定を進めている。これに向け、実船舶を利用した実証実験が広島県で3月21日からスタートする。塩害や波による揺れなどの影響を調査するのが目的だ。

 実船試験は尾道市の因島重井町(いんのしましげいちょう)で行う。請負事業者として選定された海上・港湾・航空技術研究所の海上技術安全研究所が主体となり、ヤンマーが開発した燃料電池システムと、渦潮電機が開発したリチウムイオン電池システム搭載した小型船舶を利用する。

実験で利用する燃料電池船。小型のバスを搭載することができる 出典:国土交通省

 燃料電池船は長さ16.5メートル、17トンの小型船舶だ。カーフェリーとして利用されるバスフロート船を改造した。5kW(キロワット)の固体高分子形燃料電池モジュール1基と、容量60kWh(キロワット時)のリチウムイオン二次電池を搭載している。7000リットルの鋼製タンクに搭載した水素と燃料電池で発電した電力で、出力50kWの推進用電動機2基を動かして推進力を得る。なお、日本小型船舶検査機構(JCI)が事前に船舶検査を行う。

燃料電池船の甲板上の様子 出典:国土交通省

 燃料電池船の満載時最大速力11.5ノット。半径4海里以内を航行してデータを収集する予定だ。国土交通省は実験データをガイドラインの策定に生かす。実船試験は2017年度も継続していく予定だ。

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