もみ殻で精米、熱と電力を100%自給自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2017年03月27日 13時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]
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電力不足に苦しむミャンマー

図3 ミャンマーと首都ネピドー(赤色)の位置 出典:NASAの公開画像を本誌が加工

 ミャンマーは日本の1.8倍の国土(67万7000平方キロメートル)に、日本の半分弱の人口(5400万人)が暮らす農業国だ(図3)。

 タイに次ぎ、米の生産量は世界第7位。輸出品は3種類。天然ガス(年産484ペタジュール)と米を中心とした農作物、ヒスイだ。

 天然ガスを産出するものの、エネルギー関連のインフラは国内の必要を十分満たす段階に達していない。年間総発電量(2014年時点で142億kWh)に占める水力発電の比率は62%、天然ガスが35.2%(図4)。化石燃料の輸入量が少ない点では優れているものの、そもそも電化率が32%と低く、3600万人もの国民が系統電力と切り離されている。

図4 2014年時点のミャンマーの発電量(方式別)と電化率(円グラフ) 出典:国際エネルギー機関(IEA)の公開資料に基づき本誌が作成

 今回取り上げた精米所は首都ネピドーに位置するため、系統電力を利用できた。だが、多くの精米所はそもそも外部から電力を購入できない。主要な発電技術のうち、最も発電コストが高いディーゼル発電を構内に設置して用いている。

 「今回の技術を普及させ、2020年までに15カ所に導入することが目標だ」(ヤンマー)。これは米輸出量に換算すると、10%分に相当するという。化石燃料の輸入を減らすことができ、電力と熱を得ることで資源循環型農業に寄与するとした。

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