普及に期待の電気トラック、日本初の専用充電ステーションが川崎市に電気自動車(1/2 ページ)

三菱ふそうトラック・バスは2017年後半に予定している小型の電気トラック「eCanter」の販売開始に先駆けて、同社の川崎工場に急速充電インフラを整備した。日本で電気トラック用の急速充電インフラを整備するのは初。輸送部門のCO2削減に貢献できる電気トラックの普及を後押しする。

» 2017年05月16日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 三菱ふそうトラック・バス(以下、三菱ふそう)は川崎市にある川崎工場内に、日本では初となる電気トラック用の急速充電ステーションを開設した。同社は2017年9月から小型の電気トラック「eCanter」の量産開始を予定しており、それに先駆けて自社工場に急速充電器を導入した。

5月10日に開催された式典の様子 出典:三菱ふそうトラック・バス

 「EV Power Charger」と呼ぶ急速充電器を合計8基導入した。充電器の種類は日本で広まっている「CHAdeMO」方式のタイプを7基、CHAdeMOと欧州を中心に利用されている「COMBO」方式を併用できるものを1基設置している。これらの充電器を一般の電気トラックや電気自動車(EV)のドライバーが24時間、利用できるようにする。

 現在、日本国内にはEV向け急速充電設備が、約7000カ所に設置されているが、その多くは、乗用車向けだ。駐車スペースが狭いため、車体が大きいトラックには向いていない。そこで電気トラック分野のトップランナーを目指す三菱ふそうは、電気トラックの普及に欠かせない充電インフラを率先して整備することを決めた。

 充電スペースは2カ所に分かれており、小型トラック4台が、駐車して充電できるという。同社では、今秋の「eCanter」量産・販売開始以降、同車の購入者には、今回の急速充電施設を無料で活用できるようにする予定。

 川崎工場では屋上に出力680kWの太陽光発電システムを搭載しており、工場内で自家消費を行っている。そのため、太陽光発電が行える晴天時であれば、電気トラックに再生可能エネルギーによる電力を充電することも可能だ。

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